建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年12月号〉

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安定した高評価を誇る自走式プラント安定処理工法
WILL工法の実践普及を目指し北海道からインド需要も視野に進出

道路工業株式会社


 道路の舗装・施工に高い技術と実績を誇る道路工業(株)は、地盤改良においても多様な技術による施工実績を残してきたが、さらに新たな地盤改良システムWILL工法の普及にも乗り出そうとしている。

動くプラントで簡便に作業できる自走式プラント安定処理工法

 現在、同社が主力としている地盤改良システムは、「自走式プラント安定処理工法」で、専用プラントを設置するのではなく、油圧ショベルの足回りを使用した自走式土質改良機(クローラ式)によって、作業を実施する画期的なシステムだ。機種はコマツ社製BZ200、BZ210(写真)で、仕組みは原料土ホッパーに投入された土がベルコンフィーダで送られ、さらに巻き出しローターで一定量を送り、その上に固化剤ホッパーから定量の固化剤が添加される。それらの発生土と固化剤はソイルカッターで切削混合され、さらに約700rpmで高速回転する3軸ロータリーハンマーで細粒化混合される。そうして出来上がった改良土は、排出ベルトコンベアー出口に設置されたアフターカッターでさらに細粒化混合され、最後に対象地に排出される。
 どこにでも移動し、作業を行うことが可能なので、場内での移動コストを抑えることができる。最大処理能力はルーズ状態の砂質系改良土の場合、BZ200(同080-1)では毎時80m3で、BZ210(自走式土質改良機080-2)では150m3にも及び、従来のプラントと比較して劣ることはない。
 混合精度も優れており、対象土と固化剤の混合ムラが少ないため、在来工法よりも固化剤の使用量を低減しつつ、品質の高い改良土を得ることができる。プラントはソイルカッター(切削混合)インパクトハンマー(衝撃混合)、アフターカッター(切削衝撃混合)など、様々な機能を併用できるため、適用範囲は礫混じりの土から粘性土に至るまで幅広い。
 作業にあたっては、固化剤の撒布から混合作業までを密閉したケース内で行うため、粉塵はほとんど発生せず、低騒音でもあり、周辺環境に影響を与える心配がない。また、作業が天候に左右されないため連続稼働が可能で、積み込み、運搬、盛土の作業時間を大幅に短縮できる。こうした一連の作業は全て機械化されているため、安全に作業を進められるなど、数多くのメリットを持つ。

▲二種類土砂投入 ▲土砂2種類混合 ▲作業状況 ▲作業全景
▲ホッパへ土砂投入 ▲漁港浚渫土改良 ▲高規格道路路体盛土改良 ▲地盤補強改良

数値を確認しながら確実に施工できるWILL工法

 同社が新たに導入し、普及を目指しているのが中層混合処理工法であるWILL(スラリー揺動攪拌工法)だ。これはバックホータイプのベースマシンの先端に、ブーメランプレートやリボンスクリューなどの特殊な攪拌翼を設置し、スラリー状の固化剤や改良材を注入しながら、固化剤と原位置土を強制的に攪拌混合して、安定した改良体を形成する工法。このブーメランプレートとリボンスクリューを使い分けることで、軟弱な粘性土地盤はもちろん、N値30を越える締まった砂質土地盤や砂礫地盤にも対応できる。また、ベースマシンの選定によって、深度8mの中層改良も可能だ。
 ベースマシンは小型のため、振動も稼働音も低く、在来工法よりも環境負荷は低い。しかも、軽量であるために機動性が高く、狭いヤード内で足場の悪いところでも安全に操業できる。さらに注目されるのは、稼働中の深度、流量、回転数、傾斜がリアルタイムでモニターに数値表示されるため、それらを直接確認できる管理システムだ。
 関東、近畿、九州にまたがるWILL工法協会が組織されているが、北海道の会員企業は道路工業(株)一社しかなく、このため今のところ道内では施工例が見られない。そのため、同社としては中層地盤改良技術における選択肢の一つとして提案しており、道内の政府直轄事業の現場での導入を目指すとともに、将来的には新興国での需要を視野に入れ、新たな需要開拓も目指している。

▲施工概略図
お問い合わせ
道路工業株式会社 地盤改良事業所
担当 川辺・久保・蔵谷
〒005-0817
     札幌市南区川沿17条2丁目4-1
     TEL011-571-0831/FAX011-571-0836

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