建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年12月号〉

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渋滞緩和と地域住民の安全のために立体交差化を推進

――パイプルーフ工で地域住民の住環境に配慮

京都国道事務所 9号京都西立体千代原トンネル本体工事


▲完成予想図

 近畿地方整備局京都国道事務所は、一般国道9号の京都市西京区上桂三ノ宮町から西京区御陵塚ノ越町地先にかけて、トンネルによる立体交差事業を進めている。  一般国道9号は、京都縦貫自動車道へのアクセス道路であると同時に、京都市内中心部における東西交通を担う重要な路線でもあるが、この地区は都市化が進んだために渋滞が慢性化し、市民の円滑な交通や流通などに支障を来しているだけでなく、迂回車両が住宅地に進入するなど、地域住民や子供達は危険に晒されていた。  そのため、渋滞緩和と安全で快適な道路環境の整備を目指し、千代原口交差点をアンダーパスとして立体交差する事業に着手した。

▲施工写真 ▲パイプルーフ工 ▲着工前の渋滞

 工事区間はL=370mで、このうち交差点部(L=150m)については非開削工法を採用し、その他は開削工法によって施工されている。施工中の交通対策としては、昼間は4車線を確保し、夜間は片側を1車線に規制して、合計2車線を確保して施工している。また、この施工において注目されるのは、日中の交通を確保しながら進められるために夜間作業が多くなることから、非開削部では防音対策のためにパイプルーフ工が用いられていることだ。非開削部とはいえ、地下作業となると騒音は低減されるのだが、施工現場ではなおも住環境に配慮し、地下作業の段階になっても、この防音対策を継続している。  この西立体交差事業が完成すれば、単に渋滞が解消されるだけでなく、迂回車両の減少や交差点内事故の減少など様々な安全効果が期待できるとともに、この事業に併せて段差の少ない歩道の整備などのユニバーサルデザインを実現し、電線共同溝整備による電柱の撤去も行われるため、機能的かつ快適で安全な「みち」が実現する。



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