建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年9月号〉

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留萌川を治める留萌ダム

――自然に調和した管理棟

留萌開発建設部 留萌ダム管理所


▲留萌ダム管理所 外観パース

留萌ダム計画の背景
 留萌川は、過去に幾たびとなく氾濫を引き起こし、特に昭和63年8月の既往最大の洪水では、留萌市街の約3分の1が浸水するという壊滅的な被害を被った。
 一方、年間総流出量の50%程度が融雪期に流出し、夏期間に流況が悪化し渇水となることが多いことから、留萌川に生息する動植物の生息環境の保全や既得用水の確保のため、安定した流量供給が課題となっていた。
 また、留萌市の水道水源は、他流域である増毛町を流れる新信砂川から取水を行い、留萌市街部に供給しているほか、上中流部では留萌川支川からの取水による簡易水道となっている。
 そこで、洪水被害の軽減、流水の正常な機能の維持、水道水の確保を目的として、平成元年度に留萌ダム建設事業が着手され、ダムの確実な管理・運営をするため、留萌ダム管理所が、ダム右岸に建設されることとなった。

設計にあたって
 外観は、周辺樹林との調和を表す縦ラインと、ダム提体との一体感を表す水平ラインで構築し、背景となる山並みや緑とバランス良く調和させた。
 積雪寒冷地に適した外断熱工法、Low-Eガラスによる高断熱サッシを採用し、長寿命化と省エネルギー化を図った。
 平面計画は、操作・事務・設備等のエリアを明確にして、事務・操作エリアからはダム湖側を眺望できる配置とし、ダム管理の容易性を高めた施設とした。

建物概要
建設場所:留萌市留萌村字チバベリ
構造規模:鉄筋コンクリート造 一部3階建て
延べ面積:956u

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