建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年9月号〉

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北郷小学校の改築に合わせて北郷児童会館を合築

――防犯と環境エコに配慮

札幌市 北郷小学校・北郷児童会館


▲外観パース

北郷小学校はJR白石駅から近い閑静な住宅街に位置しており、市内の市立学校の中でもとりわけ生徒数が多い学校のひとつだ。既存の北郷児童会館は、道路を扶んで隣接しており、同じく利用児童も多い。
 それを踏まえて、配置計画としては北側の日影の影響に配慮し、既存校舎とほぼ同じ位置に新校舎を改築する。低層部の一部に児童会館を取り込み、利用しやすい配置とする。改築校舎のほぼ中心には昇降口を配置し、現状と同じ通学動線としている。また、給食車両や児童会館利用者の車両動線は西側に集中して歩行者との分離を図り、安全性を確保している。
 また前面道路への飛び出し防止や、不審者侵入への対策として、広いアプローチスペースを設け、視認性を高めている。
 構造としては、普通教室群を最も日照条件の良い南側に学年単位で配置するほか、ワークスペースを併設して、学年毎の授業などに柔軟に対応できるようにしている。各階中央部に児童の溜まり場、憩いの場として利用できる小スペース“デン”を配置している。
 管理諸室は1階に配置し、特に職員室は昇降口やグラウンドが見渡せるよう、防犯性・安全性を考慮した計画としている。特別教室は、児童会館利用者との相互利用を考慮し、利用度の高い教室をアクセスしやすい位置に配置している。
 コンクリートの耐久性を向上させ、建物の寿命を延ぱす外断熱工法を採用し、室内の温度差を少なくなることで、室内環境の向上を図っている。障がい者のためのエレベーターや、車いす用トイレも設置している。揮発性有機化合物等による室内の空気汚染対策については、建築材料の選定や、機械換気などで対応する。
 校舎屋上には太陽光パネルを設置し、児童の見学用スペースも確保。また、発電の仕組みや発電量などを表示する表示板を設置している。

北郷小学校及び北郷児童会館改築工事(主体工事)概要
建設場所:札幌市白石区北郷4条5丁目1−1
構造階数:鉄筋コンクリート造4階建
敷地面積:16,019u
建築面積:校舎及び児童会館   2,957u
        付属舎          92u(温室・飼育小屋・物置)
         (既存屋内運動場   1,287u)
         (既存プール       84u)
        計               4,420u
延床面積:校舎             8,678u
        児童会館         461u
        附属舎           92u(温室・飼育小屋・物置)
         (既存屋内運動場   1,528u)
         (既存プール       84u)
        計              10,843u
最高高さ:15.70m
用途地域:第一種住居地域
防火指定:なし
建ぺい率:28%(60%)
容 積 率:68%(200%)
竣功予定:平成21年3月13日
教 室 等:
@普通教室    24教室
A特別支援学習室  2教室
B特別教室    12教室
  (図書、視聴覚、図工、コンピューター、理科、音楽(第1、第2)、家庭科、特別活動、会議、教育相談(1、2))
C多目的教室    2教室(新世代学習等)
D管理諸室    職員室、校長室、放送室、事務室、保健室、用務員室、PTA室、給食室等
E児童会館諸室  プレイルーム、クラブ室、体育室、事務室等

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