建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年8月号〉

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外付けフレーム工法を採用した函館港湾合同改修工事

――耐震改修のみならず温室効果ガス抑制も図る

北海道開発局 函館港湾合同庁舎

▲5月30日東側全景

 昭和43年に竣工した函館港湾合同庁舎は、港内に埋め立て造成された中央埠頭の中程にあり、東西に長い長方形の敷地に建っている。建物配置は、来庁者の動線と敷地形状を考慮して街側を駐車場としている。庁舎は東側妻面に正面入り口を設けた、センターコアの整形な建物となっている。
 災害対応機関である函館海上保安部などが入居することから、建物用途による耐震性能の向上が望まれていた。そこで、今回の改修では、必要な耐震性能の確保はもとより、老朽化した外壁を改修し、高断熱サッシを採用して断熱性能の向上も図っている。また、地球温暖化対策として太陽光発電装置を設置し、温室効果ガスの排出削減も図ることにした。
 耐震補強にあたっては、内部の耐震壁の増設や壁厚さの割り増しが必要となったが、このことは建物重量の増加となり杭基礎の支持力を超えることなどから、外付けフレームによる補強を主とし、一部の内部柱の補強なども行うことにした。この外付けフレームは改修部分を最小限にとどめ、24時間勤務のある入居官署の業務の継続と工事を効率良く進めることができる利点がある。外付け補強フレームは、窓の採光の確保と内部の閉鎖感を減らすために純ラーメン形状とし、構造はプレキャスト鉄筋コンクリート造として、現場作業の軽減を図っている。


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