建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年8月号〉

寄稿

気温の年格差が70℃の厳しい営農環境を支える

――三地区で三様の異なった農業を展開

上川支庁産業振興部 整備課長 古山 徳春

上川支庁の農業農村整備事業

概況
 上川支庁は、北海道のほぼ中央に位置し海岸線を有せず、東西96.7km、南北に224.4kmと細長い形状をしている。広さは9,852?と全道面積の11.8%を占め、青森県、岐阜県や鹿児島県に匹敵する広い面積を有している。管内は中央に旭岳を主峰とする大雪山系、北に天塩山系と北見山系、南に夕張山系と日高山系が走行し、それぞれ広大な上川、名寄、富良野の各盆地を形成している。また、中央部は大雪連峰に源を発する石狩川が貫流し、北部は天塩岳を源にする天塩川が横断し、南部は石狩川の支流である空知川が流れ、本道農業の中心地として広大な沃野を形成している。
気象は四方が山に囲まれた内陸地帯であるため、冬季と夏季の寒暖差が極めて大きく、最低気温−41.0℃、最高気温36.0℃を記録している。南北に細長いことから、中央、北部、南部と気象も大きく違っている。
管内は4市16町2村からなり、人口53.5万人で、その中心である旭川市は35.5万人を擁している。

▲畑作(美瑛町)

農業
管内の耕地面積は127,400haで全道の11%を占め、水田60,000ha、畑44,900ha、牧草地22,500haである。農家人口は10,626戸と全道の18%を占めているが、減少が続いている。1戸あたりの耕地面積は12.0haで、全道平均の6割程度であり、生産農業所得も499万円となっている。水稲、野菜を中心として生産しており、大きく中央、北部、南部に区分される。中央では水稲、野菜中心の農業を展開しており、特に米は良質米の産地として有名である。北部では水稲、野菜、畑作、畜産の複合した農業が展開されており、もち米では有数の生産地である。南部は野菜中心で農業を行っており、早くから転作作物として生産されてきた。

▲稲作(美深町)

農業農村整備事業
 平成20年度道営事業は、水田整備事業を中心に、畑整備事業、農道整備事業など66地区、61億6千8百万円の事業予算を執行している。
 水田の整備は水田農業振興緊急整備事業が完了し、経営体育成基盤整備事業と地域水田農業再編緊急整備事業を実施している。経営体育成基盤整備事業は北部の士別市、名寄市、剣淵町、南部の富良野市、中富良野町、上富良野町などで行っている。暗渠排水施工が中心である地域水田農業再編緊急整備事業は北部の士別市、名寄市、和寒町、剣淵町、中部の旭川市、鷹栖町、当麻町、東神楽町、比布町、美瑛町、東川町の各町村で平成16年度から実施している。水田の整備は暗渠排水、用水路の整備が中心で区画整理、排水路なども行っており、上川支庁農業農村整備事業予算の3/4を占めている。
 畑地帯総合整備事業は7地区が新規に採択され、南部の富良野市、中部の旭川市、東神楽町、美瑛町、北部の名寄市、和寒町、剣淵町で実施している。整備は暗渠排水が中心で、客土、区画整理、除礫なども実施している。畑地かんがいを啓発するための畑地かんがい推進モデルほ場設置事業は旭川市で新規地区が採択され、剣淵町の地区とあわせて2地区で実施している。畑整備の予算は全体の6.7%である。
 農道整備事業は農免農道整備事業と農道整備特別対策事業を、美瑛町で各1地区ずつ実施しており、全体予算の1.9%を執行している。
 その他、かんがい排水事業、中山間地域総合整備事業、基幹水利施設ストックマネージメント事業、さらに防災事業であるため池等整備、農地保全、農地防災機能増進事業や国営造成施設管理体制整備促進事業の計画策定分も実施している。
 団体営事業は国営造成施設管理体制整備促進事業、基幹水利施設管理事業を中心に地域用水機能増進事業、新農業水利システム保全対策事業などの施設の管理事業を中心に実施している。ふるさと農道整備事業も実施しており、その他、村づくり交付金、地域政策総合補助事業なども実施している。平成20年度の団体営事業は、総額926百万円を執行している。
 上川管内の農業は大都市近郊型農業を展開しており、基盤の整備も転作作物や野菜などを考慮し、機械化に対応した整備を進めている。


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