建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年7月号〉

ZOOM UP

裁判員制度の実施に向けて札幌高等・地方裁判所庁舎を増改築

――大通りの景観に配慮し本館と別館の外観を統一

札幌高等裁判所 札幌高地裁庁舎増築等建築

▲札幌高等裁判所・別館

 札幌高等・地方裁判所は、裁判員制度の実施に合わせて、本館の改築と別館の増築を進めている。
 本館(現庁舎)は、鉄骨鉄筋コンクリート造、地下1階・地上8階建、延べ18,314u。本館(現庁舎)の最大の特徴としては、8階と7階に法廷が集中的に配置されていることで、裁判員は本館(現庁舎)8階を必ず利用することになるため、利便性に考慮し、法廷以外で裁判員が利用する部屋を本館(現庁舎)に集約する方針だ。
 そうした裁判員候補者の待合室、裁判員の選任手続を行う部屋、選ばれた裁判員と裁判官とが評議を行う部屋など、今までの裁判所施設には無かった新しいスペースを確保するため、別館の増築工事も合わせて行っている。

▲別館と本館(後) ▲渡り廊下

 別館は、庁舎が札幌市の大通景観形成地区に建っていることに配慮し、本館(現庁舎)と別館の外壁や窓サッシの色彩・形状等を極力統一して、それぞれに連続性を持たせる外観となっている。したがって、少し小振りな本館(現庁舎)のような外観となる。別館と本館(現庁舎)とは、渡り廊下(3階)で結ばれる。平成20年5月末の竣工を予定している。
 計画では、別館完成後に本館(現庁舎)から民事執行事件関係、破産・再生事件関係などの部署を別館へ移転し、空いたスペースに裁判員制度を実施するための部屋を配置する予定だ。


HOME