建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年7月号〉

企業リポート

創業60周年の(株)早水組

――浚渫・緑化・リサイクル分野で独自の工法・資材を開発

株式会社早水組

 網走市に本社を持つ(株)早水組(早水均社長)は1948年に創業し、今年で60周年を迎える。土木一式、建築一式、水道施設、緑化事業、浚渫、ホテル、不動産、企画設計までをこなす総合建設業で、特に浚渫事業においては、真空吸引圧送工法を独自に開発。緑化事業ではバイオ・オーガニック工法を開発導入し、リサイクル事業では弾性舗装用ブロッグ-エコリーブロック、養生マット・シート−多機能フィルターなどの環境資材を開発するなど、独自技術と工法を持った創造性の高い建設企業だ。

▲真空吸引圧送工法

 真空吸引圧送工法は、底質浄化・底泥回収を目的に、河川湖沼・ため池等の浚渫工法として平成元年に機械メーカーと共同開発した工法で、真空圧を利用することで高濃度・高含泥・汚濁発生の軽減を実現した、環境配慮型の浚渫工法である。装置は特殊ドラムアタッチメント、連続吸排機、真空発生装置、圧送用コンプレッサーで構成される。真空発生装置でアタッチメント、連続吸排機のひとつを真空状態にするときに起きる空気の流れによって、吸引タンクに底泥・堆積物が吸引され、満量状態になったとき、空きタンクが吸引に切換り、満量タンクはコンプレッサーによって目的地まで管路で圧送される仕組みだ。北海道だけでなく、全国の河川、ダム、排水路などの工事で採用され、確実な成果を残した実績を持つ。

▲バイオ・オーガニック工法

 緑化事業で採用しているバイオ・オーガニック工法は、周辺樹種の種子の侵入を期待して、人為的に先駆樹種を播種によって成立させ、環境を整えた上で時間をかけて自然に帰していく手法だ。この工法に使用する植生基盤材は、用土が主体なので、有機物を分解・無機質化し、植物に養分を吸収させる微生物の住処となり、自然なリサイクルが形成される。また、ソウケンフォームによる安定した生育基盤が植生遷移をスムーズにし、周辺植物による、植生復元を実現する。この工法によって、土砂・風化岩、亀裂の少ない硬岩、急勾配法面でも緑化することが可能で、積雪・寒冷地でも有効だ。

▲エコアップ緑化工法

 リサイクル事業における弾性舗装用ブロッグ-エコリーブロックは、主にトラック・バスの廃タイヤチップとカラマツ間伐材を原料とした舗装用ブロックで、公園の遊歩道や住宅の通路・駐車場などで用いられており、北海道認定リサイクル製品認定基準に適合したリサイクル製品だ。軽量で施工性が良く安全性が高い。衝撃吸収性に優れ、人に優しい性能。環境に優しいリサイクル素材製品としての特色を持っており、網走市駒場の「木の広場」や丸瀬布町の「上武利キャンプ場」で施工例を見ることができる。
 養生マット・シート−多機能フィルターは、97%〜98%の空隙率をもった通気・透水生フィルター構造により法面を被覆・保護することにより、土粒子の移動を抑え、気象環境が地表に及ぼす様々なストレスを緩和し植物の生育環境を整えることができる。雨浸食防止・濁水がなく法面侵食防止に優れており、風食の防止、施工性の向上などの特色を持つ。
 こうした技術力を背景に、同社は品質マネジメントシステムの国際規格ISO9001と環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001のほか、労働安全衛生マネジメントシステムOHSAS18001も認証登録している。

▲はな・てんと祭り

そして、「建設業を通じて社会に貢献をする。そのためには顧客の利益と会社の発展をつねに考え行動をする」ことを経営理念として、網走市が主催しているフラワーガーデン「はな・てんと」活動に参加したり、毎年4月下旬には本社及び札幌支社の周辺、近隣主要道路の清掃活動や、網走観光協会と合同で呼人浦キャンプ場を終点とする網走湖沿いの清掃活動にも参加。その他、網走市植樹祭や網走市の釧路街道壁画修復ボランティアなどにも協力するなど、本業の土木施工のみならず幅広く社会に貢献している。


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