建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年5月号〉

寄稿

最大面積を所管し多くの土木施設を管理

――十勝の成長力と競争力強化のための道路整備

帯広土木現業所事業部長 佐藤 義広

佐藤 義広 さとう・よしひろ
昭和31年6月6日生まれ 剣淵出身
北海道大学工学部 卒業
平成 6年4月 旭川土現河川
平成 8年4月 室蘭土現舗装
平成10年4月 河川課ダム室計画各係長
平成13年4月 小樽土現道路建設課長
平成15年6月 河川課主幹
平成16年4月 技術管理課主幹
平成19年6月 帯広土現事業部長

管内の概況(地勢、気候、産業、管理延長)
 当管内は、北海道の南東部に位置し、南に太平洋、時計回りに日高山脈襟裳国定公園、大雪山国立公園、阿寒国立公園に囲まれています。内陸部は平野が主体となり、大雪山を源とする十勝川が十勝平野を縦貫している自然環境に恵まれた地域です。
 総面積は約10,831kuで秋田県や岐阜県とほぼ同じ面積を有し、帯広市を核に1市16町2村からなっている。管内の総人口は、358,313人(住民基本台帳:平成18年12月末現在)で、全道総人口(5,628,338人)の6.4%を占めています。また、1ku当たりの人口密度は33.1人となっており、全道の71.8人に比べ低いものになっています。
 十勝の産業は第1次産業が主体で、中でも農業は大規模経営で中央部は畑作中心で、南部と北部は酪農・畜産との混合農業で日本有数の食糧基地となっています。また、優れた自然景観、ホーストレッキング、輓馬と豊かな地域性特性を活かした観光も盛んです。
 帯広土現が管理する道路・河川等の現況についてでありますが、所管面積は全道の13%を占め14支庁の最大であり、さらに、道路の管理延長は1,708kmで全道の14.3%、河川管理延長は2,282kmで全道の18.5%と管理施設の多い土木現業所であります。

北海道帯広土木現業所の事業概要について
 帯広土木現業所が執行する事業費は補助事業費と単独事業費等を合わせ、平成19年度は当初予算で188億31百万円でしたが、平成20年度当初予算は70億27百万円(37.3%)(平成20年4月)となっております。(今後実施計画に変更が生じた場合は、改めて公表する予定です)
 当土木現業所は、十勝地域の成長力・競争力強化を支援する施策、安全・安心に暮らせる地域の実現を図る施策を重点に事業執行を図っております。
 十勝の農業や製造業、観光を支援する高速交通ネットワークの強化や地域交通網の形成、交通事故から道民の生命、財産を守る道路事業をはじめ、安全で豊かな、住みよい地域社会形成のために、災害に対する安全性の向上に寄与する河川・砂防事業、生活基盤の向上を目指す下水道事業など、活力のある地域社会づくりを目標として施策を展開しております。

▲幕別大樹線踏切除却事業(幕別町) ▲直別共栄線交付金事業(浦幌町)

「道路事業」
 高速交通ネットワーク形成のため、高規格幹線道路帯広広尾道路の進捗に合わせて、中札内インター線は年度内の完成を目指します。  主要道道本別士幌線では士幌町の交通隘路区間で、冬期における事故の防止を重点に整備を促進します。  幕別町と大樹町を結ぶ幕別大樹線の幕別本町地区では、平成20年度完成を目指して、踏切除却工事を推進します。同時に五位地区での道路拡幅整備の促進を図ります。  浦幌町直別と共栄を結ぶ一般道道直別共栄線では昨年厚内トンネル(延長218m)が完成しましたが、引き続き海岸擁壁等の整備促進を図ります。  また、主要道道帯広浦幌線では、帯広圏の圏域環状線を形成する翠柳大橋の上部工工事を促進します。  大雪山国立公園内の然別峡線等では、自然環境への影響に留意しつつ、交通の安全を確保するため、老朽橋の架換え等を行います。

▲3.4.207札内南大通(幕別町)

「街路事業」
 3・4・207札内南大通(幕別帯広芽室線)はJR根室本線との立体交差(道路のアンダーパス化)工事の事業を促進します。  また、3・3・8弥生通(幕別帯広芽室線)の札内清柳大橋から青葉通までのJR根室本線との立体交差(道路のアンダーパス化)を含む区間及び3・3・128鈴蘭公園通(上士幌士幌音更線)の国道241号と鈴蘭新道を結ぶ区間について円滑な交通確保を図るため整備の促進を図ります。

下水道事業」
 十勝川流域の水質保全と生活環境の改善を図るため、十勝川流域下水道事業を昭和52年度から着手しており、平成19年度は浄化センター電気機械設備の更新を進めております。

▲利別川中流地区(足寄町) ▲猿別川上流地区(更別村)

「河川事業」
 平成13年、15年の台風による大雨で大きな被害を受けた利別川の足寄町〜陸別町間約42kmについて、治水対策を促進し、併せて下流部の本別町から足寄町までの区間21kmについて、平成21年度の暫定完成を目指して整備を促進します。
 平成14年に被害を受けた猿別川とその支川のサッチャルベツ川についても引き続き整備を促進し、地域住民の安全で安心した生活の確保を目指します。
 機関庫の川については、帯広市内の区画整理事業にあわせて、まちづくりと一体となった「ふるさとの川」としての整備を着実に進めていきます。

▲森の沢川(池田町)

「砂防事業」
 砂防事業は、森の沢川やペンケ新得川など6渓流で、渓畔林などの渓流環境の保全を図りつつ、土砂災害防止のための砂防堰堤、床固工、渓流保全工等の整備を進めます。
 また、雌阿寒岳火山噴火警戒避難対策事業では、火山噴火に備えた監視システムの整備を進めます。

「漁港事業」
 厚内漁港について、水産物供給基盤整備計画に基づき、岸壁の整備を進めます。


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