建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年3月号〉

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東豊線福住の閑静な住宅街、羊丘中学校を改築

――環境・福祉にも配慮した校舎に

札幌市羊丘中学校

 札幌市は東豊線福住駅近くの閑静な住宅地に位置する羊丘中学校の改築工事を進めている。既存校舎は南東・北東側は市道の終点に接道しており、北西側が市道に接しているが、敷地よりも約4m程度低くなっており、歩行者のみ階段でアプローチ出来るようになっている。メインのアプローチは南東側の市道からとなっているが、北西側からの生徒の通学動線も比較的多い状況にある。  改築にあたり新校舎はほぼ同じ位置に配置するが、北東側の住宅への影響を配慮し、2〜4階の外壁ラインを既存校舎とほぼ同じとしている。通学動線は現状と同じとし、東西からのアプローチを考慮し、改築校舎のほぼ中心を昇降口としている。また、サービス動線は北東側からとし、歩行者分離を図っている。  普通教室群を最も日照条件の良い南側に学年単位で配置する。また、廊下側をガラススクリーンとして不審者などにすぐ気付くように安全を考慮している。  生徒が集まりやすい校舎中心部に、生徒の交流の場・憩いの場として利用できる階段状の多目的ホールを配置している。学年集会やイベントなど様々な利用も可能で、上部にはハイサイドライトを設け、自然光も差し込む快適な空間をつくる。さらに、管理諸室は1階に配置し、特に職員室は昇降口・グラウンド・南東側正門が見渡せるよう、防犯性・安全性を考慮した計画となっている。  構造は、コンクリートの耐久性を向上させ、建物の寿命を延ばすため外断熱工法を採用し、室内の温度差を少なくし、室内環境の向上を図っていく。また、吹き抜けを利用して高度差による温度差を利用した換気を行い、建物内を夏場は涼しく、冬場は暖かくし、暖房費の低減を図る。  エレベーター及び車いす用便所を設置し、障がい者にも配慮する。他に、揮発性有機化合物等による室内の空気汚染対策については、建築材料の選定や、機械換気などで対応する。

羊丘中学校改築工事(主体工事)概要
建設場所 札幌市豊平区福住1条3丁目75番地
構造階数 校舎棟:鉄筋コンクリート造4階建
敷地面積 20,048u
建築面積 校合棟      2,188u
(既存屋内運動場  1,534u)
(既存格技場    313u)
(既存物置      41u)
計        4,076u
延床面積 校舎棟      7,305u
(既存屋内運動場 1,784u)
(既存格技場    308u)
(既存物置      41u)
計        9,438u
最高高さ 15,35m
竣功予定 平成20年3月7日
教室等 @普通教室 17教室
A特殊教室 2教室
B特別教室 14教室(図書,コンピューター,理科(第一,第二),
金工,木工,音楽(第一,第二),美術(第一,第二),
被服,調理,特別活動,教育相談)
C多目的教室 4教室(少人数対応等)
D管理諸室 職員室,校長室,放送室,事務室,保健室,
用務員室,PTA室等
札幌市・羊ヶ丘中学校改築工事に貢献
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