建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年2月号〉

interview

365日24時間の水道修繕体制を敷く札管協

――歴史と経験と技術に誇りを持ち”安心・安全・安価”をモットーに

札幌市管工事業協同組合 理事長 花松 真一氏

札幌管工事業協同組合 沿革
昭和31年 5月 札幌市水道工事業協会として発足
昭和48年12月 札幌市水道工事業協同組合として、法人団体に組織化
昭和62年 3月 札幌管工事協同組合に名称変更
平成17年 5月 代表理事花松真一氏 就任

 札幌市管工事業協同組合は、札幌市の水道工事業者の組合で、252社が加盟、190万の市民生活に欠かせない「命の水」を供給している水道行政の一翼を、施工業者の立場から支えている。花松真一理事長に組合の沿革、指定工事店制度の課題などを聞いた。
――札幌市管工事業協同組合の沿革からお伺いします
花松
昭和31年に水道工事業協会として出発し、48年に現在の協同組合となりました。半世紀にわたり札幌の水道の発展とともに歩み、水道行政の一翼を民間の分野で支えてきたと自負しています。組合に加盟している252社は、いずれも札幌市の優秀な水道指定工事業者です。特に冬季間は24時間体制で水道管の凍結修繕体制を敷き、寒波がきた時は夜中まで走り回って解氷し、水を使えるようにしています。 国から官公需適確組合の認可も得ていますが、これは組合として官公庁から工事を受注し、組合員が共同で施工して良いというお墨付きです。
――水道指定工事業者が協同組合加盟の条件ですか
花松
指定給水装置工事事業者で、管工事に関する建設業の許可を有しており、給水装置工事主任技術者、配水管施工技能者が各1名常駐していることなどが、組合員の資格要件になっています。 組合員の技術向上のための各種講習会や研修会の実施、365日24時間体制による一般上下水道修繕業務などの共同事業にも取り組んでいます。 しかし、最近は新しく組合に加盟する会員は少なく、倒産、後継者不足などで退会する組合員が多い。「借金さえなければ廃業したほうが良い」という声をよく聞きます。
――水道法の改正により平成10年、全国統一の指定要件で指定工事店制度がスタートしましたが、厚生労働省は施工後10年経過した時点で施工状況を検討のうえ、必要な見直し措置を講じることとしています。組合としても何らかの対応策を考えていますか
花松
実は厚労省の見直し検討会の委員に指名され、検討会に3回出席しました。消費者代表委員からは、「指定工事店の顔が見えない」「どの業者に依頼したらいいのか、選択の基準がわからない」などの苦情が出されました。 指定工事店はそれぞれの地域に密着した事業を行っているので、組合としても目に見える形でもっと積極的なPRの必要性を感じているところです。水道利用者のニーズに応じた指定工事業者に関する情報の発信に取り組んでいきたいと考えています。
――災害時の対応についてはどのように考えていますか
花松
水道局へのサポート体制を構築するため、年に数回の勉強会を行っています。水道局の指示を受けてということになるでしょうが、緊急給水、復旧工事のお手伝いなどが想定されます。阪神淡路大震災の際は、小樽港からトラック、工具などをフェリーに積み、災害復旧の応援に組合員を派遣しました。現地の惨状にかなりショックを受けてきた組合員もいましたが、我々としても貴重な体験になりました。

札幌市管工事業協同組合ホームページはこちら
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