建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2008年1月号〉

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豊かな大地に潤いと活力を与えるかんがい排水事業を実施

国営かんがい排水事業の中核施設「徳富ダム」

札幌開発建設部 樺戸農業開発事業所

▲樺戸(二期)農業水利事業 徳富ダム第3期建設工事 ▲樺戸(二期)農業水利事業 徳富ダム壮志トンネル建設工事

 樺戸農業開発事業所は、石狩川中流に拓けた農業地帯を受益地とした国営かんがい排水事業「樺戸・樺戸(二期)地区」と、国営造成土地改良施設整備事業「浦臼地区」の基盤整備を担当。基幹的かんがい施設や排水施設の整備と施設の改修を行っている。 樺戸地区および樺戸(二期)地区を実施している新十津川町、雨竜町、浦臼町、月形町では、水稲、小麦、大豆、小豆、メロンなどが生産されており、その用水の水源は昭和初期から始まった国営・道営事業などで整備されてきたが、作物の栽培技術の進展に対応した用水手当がされていない状況にあった。 このため、石狩川支流の徳富川上流に、かんがいと上水道、治水機能を合わせ持った徳富ダムを建設し、用水量を確保するとともに用水施設を整備して水田地帯の代かき用水と深水用水の不足を解消することになった。水道用水は、西空知広域水道企業団を通じ、新十津川町、雨竜町、浦臼町に飲料水を供給する。 この徳富ダムの内部コンクリートは、軌索式ケーブルクレーンによる拡張レヤー工法で打設する堤頂部(EL298.0m 以上)を除いて、RCD工法で施工されており、高さ78.4m、総貯水量3,600万?、湛水面積159haの重力式コンクリートダムとなる。事業実施に当たっては、国、道、西空知広域水道企業団などで「徳富ダム建設工事共同事業者連携会議」を組織し、連携を取りながら進められている。 これに併せて、石狩川沿いの農地の過湿・湛水被害を防止するため、排水機場や排水路の整備のほか、支線用水路の改修を実施し、地域用水機能の維持・増進を図ることにしている。今年度から実施する浦臼地区では、老朽化により機能低下が著しい揚水機場と用水路を改修し、施設機能を回復させる事業を進めている。

ダム緒元
位 置:北海道樺戸郡新十津川町北幌加地先
型 式:重力式コンクリートダム
堤 頂 長:309m
堤 高:78.4m
集 水 面 積:65.3m2
湛 水 面 積:1.59m2
総 貯 水 容 量:36,000,000m3
有効貯水容量 :33,400,000m3
最 低 水 位:EL271.8m
常 時 満 水 位:EL306.5m
サーチャージ水位:EL313.4m
設 計 洪 水 位:EL314.9m

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