建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2007年11月号〉

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緑の中にまちがある「人と環境にやさしい団地形成」

北海道帯広市 稲田団地市営住宅 建替事業

帯広市は、平成11年度に「帯広市公共賃貸住宅再生マスタープラン・帯広市環境共生住宅市街地整備基本計画」を策定し、建替・改善にあたっては、環境に配慮した団地形成をめざし、緑化・雨水地下浸透・リサイクル製品、可能製品・省資源・省エネの環境共生型手法の導入を図っている。 稲田団地建替事業は、緑南団地・土筆団地を工業高校跡地に移転整備するもので、平成17年度から20年度にかけて、2棟(1号棟・2号棟)90戸の工事を行い、竣工は20年8月予定。(2号棟は供用済み)
<基本目標>
1、ユニバーサルデザインの視点=全ての人に優しい団地づくり、ポテンシャルの高さに応じた土地の有効利用、利便性の高い都市基盤施設の再整備。 2、環境共生の視点から=既存の環境資産を活かした自然環境との共生、緑地・植栽の整備。 3、ミックスコミュニティの視点=多世代が交流する活気ある団地づくり、周辺地域に開かれた団地づくり、花壇の整備。 以上の視点で進めている。
<住棟計画>
コスト縮減を考慮したシンプルな形態で、EV付片廊下型、内断熱工法とした。基本住戸タイプは現入居者を考慮した上で、2DK・2LDK・3LDK・身障者2LDKの4種構成で進めている。 また、EVホールの待合室空間には、入居者間のコミュニケーション向上を図るための椅子付コモンスペースを設置したほか廊下、階段室は明るく開放感をあたえる空間を取り入れている。 さらに、バルコニーは連続型とし、避難の安全性を図るとともに避難ハッチの数の縮減によるコスト縮減を図る。
<供用部計画>
供用廊下及び階段はユニバーサルデザインを原則にし、手摺を含めた有効幅を各々1,800mm以上、1,500mm以上を確保し、EV出入り口幅900mm、奥行2,000mm程度を確保することで、高齢者利用を意識し、緊急用のストレッチャー等の利用も可能にする。
<外構計画>
団地全体の緑被率は30%を確保、公園・道路等との緩衝空間として緑地・オープンスぺースを設置した。また、入居者が身近に土いじりができるように、緑地整備を行う。

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