建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2007年8月号〉

寄稿

「選択と集中」の視点で効率的・効果的な社会資本の整備

―北海道旭川土木現業所 平成 19年度事業概要

北海道旭川土木現業所長 片山 善治

片山善治 かたやま・よしはる
昭和27年1月2日生まれ
出身 夕張郡長沼町
学歴 北海道長沼高等学校卒業
   室蘭工業大学工学部卒業
昭和50年4月北海道庁入庁
平成 9年6月北海道帯広土木現業所治水課長
平成10年4月北海道旭川土木現業所総務課長
平成12年4月水産林務部総務課主幹(栽培漁業振興公社派遣)
平成14年4月北海道旭川土木現業所富良野出張所長
平成17年4月北海道函館土木現業所事業部長
平成19年6月現職
平成19年度事業の概要
旭川土木現業所における平成19年度事業予算の総額は、単独事業(骨格予算)を含めた総額で234億1干5百万円、対前年度比84.1 %となり、このうち公共事業(地特は骨格予算)については、道路・治水事業を合わせて225億7干3百万円、対前年度比85.4%、また、単独事業(骨格予算)については、道路・公圈・河川・砂防事業を合わせ8億4千2百万円、対前年度比59.8%で、投資効果の早期発現が期待される事業や、防災対策等の観点から緊急性の高い事業などを主体に事業の推進を図ることとし、公共事業(地方特定含む)における主要事業は次のとおりとなっています。
▲サンピラーパーク整備事業工事
道路・街路・公園事業
地域の発展の基盤となる幹線ネットワークの形成については、観光、農林水産業の活性化や、圏域間交流の促進のため、高規格幹線道路と一体となった幹線道路ネットワークの整備として、占冠インター線などの事業を推進します。 また、旭川空港へのアクセスとして、地域高規格道路「旭川東神楽道路(鷹栖東神楽線)」の環境アセスメントなどの事業化に向けた手続きを推進します。 さらに、地域高規格道路「富良野道路(南富良野ICアクセス)」関連として、山部北の峰線の整備を推進します。 少子・高齢化、人口減少など時代の潮流に対応しうる、持続可能で活力ある地域社会の形成を進めます。 地域の中核都市の再生を図るための基盤整備として、北彩都あさひかわ(旭川駅周辺整備事業)を推進します。 都市交通の円滑化(渋滞対策)を図るため、3・3・8金星橋通、3・3・7旭町通、鷹栖東神楽線(交差点改良)などの整備を推進します。 ユニバーサルデザインの視点に立ち、歩行空間のバリアフリー化を目指して、3・4・3東5条通(駅前広場・富良野市)、上富良野旭中富良野線、温根別剣淵停車場線などの整備を推進します。 中心市街地の活性化などのまちづくり支援として3・3・8東2丁目通(立体交差・上川町)、旭川旭岳温泉線(中心市街地歩道・東川町)などの整備を推進します。 安全・安心が確保された地域社会の形成については、災害に強く安全性の高い道路整備として、旭川環状線(秋月橋、橋梁耐震補強3ケ年プログラム)、旭名寄線(跨線橋耐震補強)などの事業を推進します。 また、十勝岳泥流対策(避難路)として、美馬牛神楽線の整備を推進します。 さらに、冬期における安全で快適な道路交通を確保するため、雪崩、地吹雪対策として、士別滝の上線などの整備を推進します。 交通安全対策として、東川東神楽旭川線などで、自歩道の整備を推進します。 適切な維持更新による交通機能の確保を図るため、士別滝の上線(橋梁再塗装・補修、シェルター補修)などの整備を推進します。 豊かな自然を活かした観光立国の実現を目指して、広域観光を支える観光拠点、レクリエーション施設である道立広域公園サンピラーパーク(名寄市)の整備を推進します。 また、観光拠点のアクセス道路の整備については、広域観光ルートとして、上富良野旭中富良野線などの整備と観光拠点へのアクセスルートとして、+勝岳温泉美瑛線(白金温泉)、吹上上富良野線(十勝岳温泉)などの整備を推進します。 サイクルネットワークの整備については、大規模自転車道の旭川層雲峡自転車道線・新工区(上川町)に着手します。
▲士別滝の上線 防雪工事(スノーシェルター)
河川・ダム事業
洪水などから地域住民の人命や財産を守る安全性の高い治水対策として農地や市街地を流下する河川の流域一帯における治水機能の向上を図るため、富良野川・剣淵川などの重点整備を進めます。 また、地域の浸水被害を防止し安全性を高めるため、比布川(比布町)・西達布川(富良野市)・豊栄川(名寄市)・雨紛川(旭川市)などで事業を推進します。 都市化の進展などに対応した都市河川対策として、ボン川(旭川市、東神楽町)・牛朱別川(旭川市外)の整備を推進します。 多角的な防災対策の強化として、大雨や洪水時に雨量や河川水位等の状況を迅速かつ的確に把握し、河川管理に万全を期するため、「情報基盤緊急整備事業」を推進します。 さらに、水害の発生時に、市町村が実施する水防活動や避難活動を支援するため、洪水による浸水想定区域の調査を推進します。 そのほか、自然環境の保全を図り、水と緑豊かな「生きている川づくり」の推進するために、生物の良好な生息環境を保全・創出するための川づくりや、周辺の景観や地域整備と一体となった河川整備を行います。 地域に密着した生活貯水池事業の推進については、貯留施設による治水・利水対策として西岡ダムの整備を推進し、引続き、堤体盛立てを実施します。
▲西岡ダム建設事業本体工工事
砂防事業
十勝岳周辺地域における火山防災施設の整備と緊急時防災体制を確立するために、土石流や十勝岳噴火に伴う火山対策として、富良野川の3号ダム嵩上げ、布部川・ボン布部川・ヌッカクシ富良野川における砂防工事を推進します。 また、十勝岳噴火に伴う土石流や火山泥流に対応した警戒避難に資するため、「十勝岳噴火警戒避難対策事業」により、監視機器等の整備を推進します。 土石流などから地域住民の人命や財産を守る砂防施設の整備については、渓流の保全を図り下流域を土石流などから守るため、若牛内川(愛別町)・八幡の沢川(名寄市)の整備を推進します。さらに、土砂災害に備えるため、ピヤシリ川(名寄市)における砂防施設の整備を推進します。


胆振管内の発展に貢献します
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