建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2007年6月号〉

寄稿

安全・安心な地域社会づくりの対策を展開

―北海道帯広土木現業所 平成19年度事業概要

紺野 寛 こんの・ひろし
昭和27年4月生 忠類村出身 金沢大工卒
平成11年建設部まちづくり推進室都市計画課長補佐
平成13年同都市環境課長補佐
平成14年網走土現企画調整室長
平成16年建設部道路整備課長
平成18年帯広土木現業所長
平成19年度の北海道開発事業費は、 9,784億52百万円(対前年比93.5%)となりました。この内、全土木現業所が執行する分は1,998億17百万円(対前年比92.9%)となっており、帯広土木現業所が執行する事業費は開発事業費と単独事業費等を合わせ195億93百万円(対前年比90.4%)となる見込みです。
本年度は、十勝地域の成長力・競争力強化を支援する施策、安全・安心に暮らせる地域の実現を図る施策を重点に事業執行を図ります。
十勝の農業や製造業、観光を支援する高速交通ネットワークの強化や地域交通網の形成、交通事故から道民の生命、財産を守る道路事業をはじめ、安全で豊かな、住みよい地域社会形成のために、災害に対する安全性の向上に寄与する河川や砂防事業、生活基盤向上の下水道事業など、活力のある地域社会づくりを目標として施策を展開致します。
▲幕別大樹線踏切除却 ▲厚内トンネル
道路事業
高速交通ネットワーク形成のため、高規格幹線道路帯広広尾道路の進捗に合わせて、中札内インター線の早期供用を目指し、工事の促進を図ります。
主要道道本別士幌線では士幌町の交通隘路区間の改良工事を促進し、特に冬期における、スリップ等による事故の防止を図ります。
一般国道を補完し産業や観光を支援するため、幕別本町と旧忠類村を結ぶ幕別大樹線の五位地区での拡幅整備に着工するとともに、幕別本町地区では踏切除却工事の事業促進を図ります。
浦幌町と釧路市を海岸線で結ぶ一般道道直別共栄線では昨年着工した厚内トンネル(延長218m)の完成を図ります。 また、主要道道帯広浦幌線では帯広圏域環状道路の一部を形成し、十勝川温泉、道立公園十勝エコロジーパークへのアクセスを担っている翠柳大橋の上部工工事を促進します。
災害や冬に強い道路整備として孤立集落解消を図るため、然別峡線では雪崩予防柵の整備や忠別清水線、直別共栄線では地すべり・法面対策を実施します。   
街路事業
3・4・207札内南大通(幕別帯広芽室線)はJR根室本線との立体交差(道路のアンダーパス化)工事の事業促進を図ります。
また、3・3・8弥生通(幕別帯広芽室線)の札内清流大橋から青葉通までのJR根室本線との立体交差(道路のアンダーパス化)を含む区間及び3・3・128鈴蘭公園通の国道241号と鈴蘭新道を結ぶ区間について円滑な交通確保を図るため整備の促進を図ります。
下水道事業
十勝川流域の水質保全と生活環境の改善を図るため、十勝川流域下水道事業を昭和52年度から着手しており、平成19年度は浄化センター電気機械設備の更新を進めてまいります。
▲3・4・207札内南大通 ▲利別川中流地区
河川事業
平成13年、15年の台風による大雨で大きな被害を受けた利別川は、再度被災防止を目指し、足寄町、陸別町間約42kmについて、抜本的な洪水対策を行うための工事に着手します。併せて下流部の本別町から足寄町までの区間21kmについて、平成21年度の暫定完成を目指して整備を促進します。
平成14年に溢水氾濫した、猿別川とその支川のサッチャルベツ川についても引き続き整備を促進し、地域住民の安全で安心した生活の確保を目指します。
機関庫の川については、帯広市内の区画整理事業にあわせて、まちづくりと一体となった「ふるさとの川」としての整備を着実に進めていきます。
ダム事業では、佐幌ダムの通信警報観測設備の更新と電力設備の改良を行い、平成19年度の完成を図ります。
砂防事業
砂防事業は、近年災害を受けた河川の再度被災防止を目的に、森の沢川やペンケ新得川など6渓流で水源地・渓流・河道の土砂流出を抑制するダム、浸食を防止し河床を安定させる床固工等の渓流保全工を渓畔林などの渓流環境の保全を図りつつ整備を進めます。
また、雌阿寒岳火山砂防工事では泥流対策基礎資料の収集や監視システムの整備を実施します。
漁港事業
昨年に引き続き大樹、厚内の2漁港について、水産基盤整備事業計画に基づき、防波堤などの整備を進めます。
災害復旧事業
平成18年8月、10月の台風並の低気圧による豪雨や風浪で被災した佐幌川、美里別川、利別川などの17箇所の河川災害、音調津漁港、大樹海岸及び直別共栄線などの4箇所の道路災害復旧事業を実施し、被災箇所の復旧に努めます。
▲猿別川上流地区 ▲森の沢川砂防

HOME