建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2007年6月号〉

ZOOM UP

ぐんまの交流ネットワークを形成する
地域高規格道路一般国道17号前橋渋川バイパス

ゆとりと快適をもたらす道づくり

国土交通省 高崎河川国道事務所

――地域高規格道路として交流ネットワークを形成
  交通渋滞の緩和と活力ある地域づくりのために

一般国道17号は、東京都中央区日本橋を起点として、さいたま市、高崎、前橋等の主要都市を通過し、新潟市に至る延長約370kmの本州を横断する路線で、首都圏と上越方面の各都市を結ぶ主要幹線道路として、旧来から産業・文化等の発展に大きな役割を担ってきた。
前橋市から渋川市に至る区間は、地域の生活道路として、また産業・観光交通にとっても重要な役割を果たしていますが、交通量は年々増加傾向にあり、特に、利根川を渡る板東橋では、朝夕の通勤時間帯、及び日曜・祝日等には著しい交通渋滞をきたしている。前橋渋川バイパスは、この交通渋滞の解消及び群馬県中央部における道路ネットワークを強化する地域高規格道路として位置付けられたバイパス。
これが整備されることにより、通過交通がバイパスに転換し、渋滞が解消すると期待され、交通事故に対する安全性が向上する。また、現国道17号の交通安全確保も図られ、同じく現道での交通事故件数も減少するものと期待される。
さらに渋滞が解消されることにより、旅行速度が向上し、年間約37億円の経済効果が期待される。その他、渋川市役所と前橋市役所間の所要時間が短縮され、産業と情報の交流がより促進される。

▲一般国道17号板東橋付近 ▲現在の板東橋の渋滞状況



――人と自然が共存できる新しい道づくり
  平成20年春開通予定の「高松立体」

国道17号が縦断する高崎市内は、鳥川にかかる聖石橋や和田橋に交通が集中するため、朝夕のラツシユ時をピークに激しい渋滞が発生している。特に和田橋交差点は、高崎市中心市街地の西側に位置し、付近はJR高崎駅を中心に市街化か著しく、鳥川をはさんだ対岸では住宅開発が進んでおり、住宅地と市街地を結ぶ国道17号の交通集中により、慢性的な渋滞が発生している。渋滞調査では交差点の最大渋滞延長が1900m、通過に12分(県内ワースト1)かかり主要渋滞ポイントに位置づけられている。
そこで、その慢性的な渋滞を解消するために計画された立体道路が「高松立体」だ。交差部には、国立病院や公園などが隣接しており、また、市民のシンボルとなっている観音山丘陵の景観保全を考え合わせ、地下立体構造としている。
平成12年度より工事に着手し、鳥川護岸工事や和田橋拡幅工事、切回し道路整備などの事業を順次行ってきており、19年度は、本線立体部の工事を推進している。
これによって、最大渋滞延長が1900mから約100mに、通過時間も12分から約1分へと大幅に短縮され、交通がスムーズになり、毎日の生活にゆとりが生まれる。その結果、交通事故件数は年間64件から年間約40件と4割減少し、交通事故死傷者数は年間92人から年間約50人と約半分に減少する。安中市役所から第3次緊急医療機関(群馬県で救急指定を受けている機関)である国立病院機構高崎病院までの走行時間が約30分から約20分へと短縮される。
その他、隣接する鳥川緑地と一体化して整備を行うことで、快適な都市環境の形成につながるとともに、他地域との情報交換や産業、文化の交流がスムーズになり、地域の活性化、発展につながる。
なお、この事業実施に当たっては、和田橋橋詰めの公園や植台にある多くの樹木の移植、伐採、再利用について、市民の意見を十分に採り入れながら進められている。



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