建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2007年5月号〉

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交通の難所「八十里越え」を解消

――289号5号・9号トンネルに期待

国土交通省 長岡国道事務所 289号5号・9号トンネル工事

一般国道289号線は、新潟県新潟市を起点に福島県いわき市に至る総廷長339.9kmの本州を横断する広域幹線道路で、新潟県三条市(旧下田村)から福島県只見町までの県境部分約20.8km区間は、古くから「八十里越」と呼ばれる難所で知られる。モータリゼーションの進展にともなう車社会となった現在にあっても、地形の急峻さと日本有数の豪雪地帯という厳しい気象条件から、冬期は今でも通行不能区間となる。 その『八十里越え』を広域幹線道路として整備し、通行不能区間の解消をはかることを目的に、5号トンネルと9号トンネルの施工が進められている。

5号トンネルは、国土交通省施工区間のうち、大谷川上流域に位置し、馬追沢方向に張り出した尾根を起点側坑口として延長665mを施工。 一方、9号トンネルは、新潟県南蒲原郡下田村大字塩野渕地先から福島県南会津只見町大字叶字入叶津の県境を貫く延長3,173mのトンネルで、新潟県側より掘削して施工。 掘削はNATM方式で、新潟県側坑口部分を機械掘削で行うが、主な部分は発破工法にて掘削している。 これらの整備によって、新潟県南地方と福島県南会津を通年利用の出来る、信頼性と安全性の高い交通路が確保されるとともに、現道よりも距離と時間が短縮することで、輸送コストの削減、輸送力の向上による経済活動が活性化。また、新観光ルートとしての観光資源開発による地域経済の活性化とともに、今まで結ぶことの出来なかった地域を結ぶことによる広域的地域間交流や連携の構築。さらに天災などの災害時には、日本海側から太平洋側を貫く広域幹線道路の分散によって交通や情報を確保し、国土保全の信頼性、安全性を確保することが期待されている。



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