仁木町が進めている日の出団地建設事業は、平成９年に策定した仁木町公共賃貸住宅再生マスタープランに基づく再生プログラムによって進められてきたもので、居住水準が低く老朽化の著しい町営住宅を建て替えるもの。このマスタープランに基づいて１７年に策定された地域住宅計画により、日の出団地の周辺環境、面積、設備の居住水準の向上を図るとともに、ニーズに合わせた型別を供給し、若年世帯・単身高齢者世帯・障害者世帯も安心して生活が出来る住環境の整備を目的としている。 その基本コンセプトを実現するために、設計に当たっては「安全で安心して暮らせる住宅」（安全・安心）、「自立した生活をおくれる住宅」（自立・簡単）、「生き生きとすこやかに暮らせる住宅」（交流・快適）３つのキーワードを基本方針として配慮している。 そこで（安全・安心）の実現に向けては、配置計画において緊急車両や福祉車両の住棟アプローチを確保し、安全な材料を選択。（自立・簡単）については、入居する全ての居住者が、可能な限り「自立」して生活が出来るよう配慮したユニバーサルデザインの概念を部分的に取り入れた内容とした。そして（交流・快適）については、豪雪地帯であることに配慮した、共用廊下や階段の設置、入居者や地域の人との「交流」を図ることの出来る広場やコモンスペースを設置し、基本コンセプトの実現を目指している。