建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2007年2月号〉

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18年1月、霞ヶ浦北ふ頭地区で水深14mコンテナターミナルがオープン

――第2バースは大規模地震時の物流機能を確保する耐震補強岸壁として計画

国土交通省四日市港湾事務所 四日市港

▲平面図
▲四日市港

四日市港は明治32年に開港し、昭和27年に特定重要港湾の指定を受けた。三重県を中心に滋賀県東部地域、岐阜県及び愛知県西部地域を主な背後圏として発展し、昭和30年代には肥料・カーバイト・ビニール工場とともに石油化学工場が進出、石油化学コンビナートを形成し着々と規模を拡大しており、今日では国内屈指のエネルギー基地となっている。
 昭和44年にはコンテナ貨物の取扱を開始し、東南アジアや中国航路をはじめとするコンテナ定期航路網も年々拡充している。
 海上取扱貨物量はここ数年6,000万トン規模を維持し、堅調に推移。平成17年の海上取扱貨物量は6,310万トン(対前年比1.01)で、その内訳は内貿取扱貨物量2,003万トン(対前年比0.97)、外貿取扱貨物量4,307万トン(対前年比1.04)となった。
 一方、外貿コンテナ貨物量は、平成11年以降は毎年順調に増加し、平成17年は2,535千トン(対前年比1.03)、コンテナ取扱個数は145千TEU(対前年比1.02)である。また、外国貿易貨物の輸入品の約5割が原油で、輸出品は完成自動車が約5割を占めている。
平成10年にはシドニー港との姉妹港提携30周年を迎え、海外との文化交流も活発に行っており、
さらに翌11年には開港100周年を迎え、中部圏を代表する貿易港として国際経済・地域経済への貢献が大きく期待されるところだ。
このような状況の中、平成16年7月には名古屋港とともに、伊勢湾スーパー中枢港湾に指定された。近年の背後圏の生産・消費活動の増大に加え、今後ますますの増大が見込まれることから、コンテナ船の大型化にも対応できる高規模な国際海上コンテナターミナルの整備が急がれている。

施設整備

 同港では、18年1月に霞ヶ浦北ふ頭地区において水深14mのコンテナターミナル(第1バース)がオープンした。現在ではさらに第2・第3バースの計画も進められており、第2バースについては耐震強化岸壁として位置づけられ、大規模地震時の物流機能を確保する上で早期着工が望まれる。
 また、現在、霞ヶ浦北ふ頭地区と背後を結ぶアクセス道路は霞大橋を通るルートのみであることから、霞ヶ浦北ふ頭と第二名神高速道路、みえ川越ICを結ぶ延長約4km、片側2車線の臨港道路を整備中である。この整備により、増大するコンテナ貨物に対応した流通アクセス機能を強化するとともに、広域高速道路網を活用した背後圏との輸送時間短縮による物流コストの縮減が図られる。加えて、災害時の緊急物資輸送における代替性の確保のほか、慢性的な混雑状況にある国道23号線の混雑緩和と騒音等の環境負荷の軽減効果も期待されている。
 同港では、そのほか国際化、高度情報化に対応する国際交流施設や水と親しむための文化・レクリエーション施設も計画しており、よりよい港づくりに向けた取り組みを鋭意進めているところだ。

▲霞ヶ浦地区北ふ頭国際海上
コンテナターミナルイメージ図
▲富双地区 避難緑地イメージ図
▲四日市地区
▲川越地区 ▲石原地区・塩浜地区 ▲霞ヶ浦地区

四日市港湾の早期整備に貢献
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