建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2007年2月号〉

ZOOM UP

飛島地区でスーパー中枢港湾の核となる次世代高規格大水深コンテナターミナルを整備

――物流の高度化・効率化を推進し、国際競争力の強化を図る

国土交通省名古屋港湾事務所
名古屋港

▲名古屋ふ頭

名古屋港は、日本の中心に位置し、中部地域と世界各国を結ぶゲートウェイとして、貿易額・取扱量ともにトップを誇る我が国を代表する港である。
名古屋港の港湾区域は83?、臨海地区は41?、合計約125kuの広大な面積で、特に臨港地区は日本最大の広さを誇る。平成17年の貿易額は12兆3,385億円、17年の総取扱貨物量は1億8,713万トン、17年のコンテナ貨物個数は249万TEUと、いずれも増加傾向にあり、中部圏域のさらなる発展を目指す重要な経済基盤として大きな役割を担う。
平成16年7月には四日市港とともに伊勢湾スーパー中枢港湾に指定され、日本を代表する中枢港湾としてさらなる発展が期待されている。しかし、港湾施設は諸外国の港湾と比べ、必ずしも国際競争に対応できる整備水準に至っていないのが現状であり、名古屋港湾事務所では「安く、早く、安全で信頼性の高い海上物流サービス」の提供による国際競争力の強化を図るべく、大水深かつ地震に強い国際海上コンテナターミナルの岸壁整備を中心に効率的・効果的な港湾整備を推進している。

▲平面図
施設整備

 同港では飛島・鍋田両地区でコンテナターミナルの拠点化を進めており、特に飛島地区では次世代高規格大水深コンテナターミナルの整備を実施している。スーパー中枢港湾の核となる水深16m岸壁第1バースは平成17年度に供用し、現在は続く第2バースの整備が進んでいるところだ。計画全体の規模は最大水深16m、岸壁延長1,050mで、現在就航中の世界最大級のコンテナ船はもとより、今後建造予定である10,000TEU超のコンテナ船も喫水の制限を受けることなく寄港が可能となる予定。またターミナル用地についても奥行き500m、面積49.3haが計画されている。稼働中である水深15m級の公共コンテナ岸壁2バースのほか、水深10〜12m級のコンテナ岸壁(公共3バース、ふ頭公社3バース)6バースの計8バースで2.2kmの直線バースとともに、我が国でも最大級のコンテナ取り扱い拠点となっている。
 一方、鍋田ふ頭では奥行き500mのバックヤードを持つ水深14m高規格コンテナターミナル1バースと耐震補強岸壁1バースが供用中である。
 そのほかの事業としては、主に西部地区を利用する船舶に対応するため、西航路(中航路部)の浚渫をドラグ浚渫船である清龍丸で実施している。
 また、庄内川から流出する土砂により埋没される泊地の浚渫を測量結果に基づき施工箇所を決定し、岸壁利用者と調整を行いながらグラブ浚渫を実施している。そのほか、金城ふ頭では国有港湾施設の点検診断に基づき、52・53号岸壁の補修工事を行っている。

物流の高度化・効率化

名古屋港では国際競争に打ち勝つことのできるスーパー中枢港湾として、港湾コストの3割低減のほか、IT化を徹底し、情報の一元化、24時間フルゲートオープン化など、リードタイムの短縮を目指している。さらに広域連携の強化、ロジスティックハブの形成など、ハードとソフトが一体となった整備を官民一体となって取り組み、物流の効率化・高度化を図る方針だ。

▲名古屋港 ▲コンテナ船航路図 ▲泊地の浚渫
▲飛島ふ頭 ▲伊勢湾岸自動車道
名古屋港湾事務所の整備に貢献
HOME