建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年12月号〉

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勇払湾を背にした苫小牧臨海工業地帯の生産を支援

北海道企業局 平成18年度苫小牧地区工業用水道


■伸びゆく地域の発展を支える源・苫小牧地区工業用水道事業について

我が国初の内陸掘込型港湾である重要港湾苫小牧港を中心に、新千歳空港や北海道縦貫道・日高自動車道にアクセス容易な苫小牧臨海及び東部工業地帯は、産業や流通の拠点として 一層の発展が見込まれている。 北海道企業局は、その工業地帯に産業基盤である工業用水を安定的に供給し、企業の生産活動を支えている。

苫小牧地区工業用水道は、第一、第二、東部地区第一の3系統で構成され、給水区域は苫小牧市及び隣接する厚真町、安平町、最大給水能力は合計で20万トン/日、配水管路の総延長は約55kmとなっている。 平成18年8月現在の受水企業は、32社、契約水量は13万トン/日である。

■苫小牧地区工業用水道改築事業について

苫小牧地区第一工業用水道は、昭和43年4月に着工、昭和45年4月から一部給水開始、昭和47年3月には全部が完成した。建設後35年が経過し、配水管の老朽化や地震による漏水事故の発生、また受水企業の水需要動向の変化による給水能力の低下が生じている。

平成15年9月に発生した03十勝沖地震では、7件の漏水事故が発生、平成16年4月に「日本海溝型地震特措法(略記)」の推進地域に苫小牧市が指定されたこともあり、インフラの地震対策が求められている状況にある。
このことから、配水管の老朽化対策や耐震化を行い、安全性を高めて安定的な給水を確保するため、経済産業省の国庫補助を受けて、配水管の新設工事を平成18年から開始している。計画期間は、平成23年までで、配水管布設工約11km事業費約32億円を見込んでいる。

■平成18年度の改築事業について

平成18年度は、事業費約648百万円で、配水管路約2.1kmを上流側から施工している。工区数は4工区で、いずれも地元の企業が受注している。
市街地工事であることから、交通安全対策、騒音振動対策、また既存の地下埋設物と近接工事となることから厳密な施工管理が要求されているが、各工区とも高い技術力を駆使して円滑に施工をすすめている。

北海道企業局は、産業基盤である良質な工業用水を安定的に供給する事業経営を通じて、景気回復が遅れている北海道経済の活性化を支援するため、日夜奮闘している。



 ●新苫一幹線配水管布設工事2工区  ●新苫一幹線配水管布設工事3工区
菱中・丸斗経常建設JV 盛興・伊藤工業経常建設JV
 ●新苫一幹線配水管布設工事1工区  ●新西幹線配水管布設工事1工区
勝幸辰・坂本経常建設JV 北海土建・丸成成田経常建設JV

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