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川崎公共職業安定所は、明るい色を基調とした壁とガラスのファサードや、足元の積極的な緑化など、「繊細」で「潤いと清潔感」のある施設とし、その明るい雰囲気が周辺環境にも影響するようなハローワークづくりをテーマに設計された。多人数が出入りする施設であることや、パソコン検索など職業斡旋業務の変化に対応できる自由度の高い平面計画とすること、加えて階高の抑制によるコスト削減をはかるなど、機能的で合理的な計画としている。
配置計画としては、フレキシブル事務室を求めたバランスの良い庁舎とするため、日雇労働者部門と一般業務部門を分離している。日雇労働者部門は、1専用出入口を設けて一般のハローワーク部門とは完全に分離した。また、利用客と職員のスペースも分離すべく、両端に階段、WC、設備スペースなどを設けてダブルコアとし、利用者用と職員用に明確に分離することで利便性を図った。
事務スペースは外壁側の柱のみのフレキシブルで将来のレイアウト変更などに適している無柱空間とし、ダブルコアに挟まれた部分を、オープンな事務室とした。バランスの良いコンプレックス構造とするため、建物両端のコア部分をSRC造とし、事務室部分はS造とした。また、大スパンの梁部を梁成の小さい鉄骨梁とし、さらに鉄骨梁により梁貫通を容易にし、ダクトワークをしやすくするなど、全体的にコストバランスの良い合理的な構造形態となっている。
その他、両端のコアに空調機械室を設け、空調ダクトを最短とした。日除けルーバーによる負荷低減と自然エネルギーの利用も図っており、窓拭きなどのメンテナンスにも利用出来る日除けルーバーによって夏の日差しを低減させている。事務室の窓は、防音性能が高く、メンテナンスの容易な片引きサッシの連窓とし、中間期には積極的に自然換気出来るようにした。雨水の有効利用を図るため、トイレの洗浄水に利用する計画としている。