建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年10月号〉

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半世紀を経た鳥飼大橋がリニューアル

大阪府下で最高の混雑度を解消

大阪府 枚方土木事務所 主要地方道大阪中央環状線 鳥飼大橋架替下部工事


▲鳥飼大橋完成イメージ図

 大阪府都市整備部枚方土木事務所は、淀川を挟む守口市と摂津市とを結ぶ鳥飼大橋の架け替え事業に着手している。この橋は、昭和29年に、日本道路公団(当時)によって整備された有料道路の一部だったが、現在は大阪府が管理しており、府道2号大阪中央環状線の一部として利用されている。
 だが、近畿道摂津南インターチェンジや国道1号、さらには阪神高速道路12号守口線が接続し、近年の急激な交通量増加などにより渋滞が頻発している。一日の交通量は約9万台に及び、このうち大型車両が24%を占めており、混雑度は2.53で、府内で最高の混雑状況となっている。また、車両が大型化する一方で、完成から半世紀が過ぎ、老朽化が進んでいることから、府では架け替え事業に着手した。
 計画では、同橋の淀川下流側に暫定3車線の新橋を架設し、現橋を撤去した後に平成25年は歩道を備えた3車線を完成させる予定だ。
 現在は下部工に着手しており、橋脚の築造に当たっては、「側面図」における高水敷部のp1、p2、p8橋脚は、鋼管矢板工法で施工。この標準方式としては、必要本数の鋼管矢板を所定の深度まで掘削圧入する中堀り工程を経て、セメントミルクを噴出攪拌して先端根固め球根を造成する根固め工程に移る。
 一方、水上部のp3からp7までの橋脚は、ニューマチックケーソン工法で施工。そこに天井走行式バックホウを用いて基礎を掘削。ケーソン部の構築に当たっては、事前に工場で分割製作された鋼殻をトレーラーで搬送し、桟台で組み合わせて、一旦吊り上げ、直下の桟台を撤去してから吊り降ろしていく鋼殻ケーソン吊り降ろし工法で施工する。
 淀川河川敷は公園などに利用されると同時に、多自然型護岸としてワンドなどが整備されており、そこには貴重な水生生物や植物が生息し、特に絶滅危惧種となっているタコノアシなどの植生も見られるため、そうした自然環境にも配慮しながら施工されている。

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▲側面図


 ●主要地方道大阪中央環状線鳥飼大橋架替下部(その1)工事  ●主要地方道大阪中央環状線鳥飼大橋架替下部(その2)工事
岸本建設株式会社

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