建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年10月号〉

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新宿地下街の浸水対策で利用者の早急な安全を確保

新雨水整備クイックプランで地下空間の高度利用を加速

東京都下水道局 南部建設事務所


▲防音ハウス ▲坑内掘進状況
▲坑内設備全景 ▲縦坑掘削状況(地上)

 南部建設事務所は、新宿地下街対策の計画を進めている。新宿駅の周辺地区は、交通機関のターミナル化や商業施設などによる集積で、都市機能が集中する地域である。特に同駅周辺jr、私鉄、地下鉄が密集した地域であり、都内有数のターミナル駅となっている。
 そのため、地下空間において浸水被害が発生した場合、交通機関を含む都市機能が麻痺し、利用者の生命にも被害が及ぶ恐れがある。
 地形は、靖国通りの新宿区役所付近が高く、jr山の手線・中央線と靖国通りの交差しているアンダーパス、いわゆる大ガード下が最も低くなっており、周囲の高低差は約7mにも及ぶ。このため平成4年12月8日と12年8月5日に、新宿大ガード付近において、浸水被害に見舞われた。このような背景から、11年度に策定された「できるところから、できるだけの対策で、浸水被害を軽減させる」という方針の「雨水整備クイックプラン」の対象となった。
 この同プランは、16年度から20年度までを計画期間とする「新・雨水整備クイックプラン」として改定・充実された。
 計画の基本概要は、対象流域及び対象地区は、流域面積41.7ha、新宿3丁目地区と西新宿1丁目地の地下街。1時間に降雨強度71.2o/hを目標降雨とし、施設規模は、既設整備水準の50oと計画水準70o差分にあたる量について貯留する。貯留量3,400m3、取水点は大ガード新宿西口、東口、伊勢丹デパート付近の計3箇所。時間降雨50oによる整備は完了しており、この対策で治水安全度の向上が図られ、浸水被害の軽減が期待されている。
 貯留水の処理は当面、貯留管の最下流部で晴天時にポンプアップされ、既設戸山幹線に排水される。また、現在新宿6丁目付近の浸水対策として、施工している対策管を最下流部で接続させ、流量調整をしながら流下させる流下型貯留管になる予定。対策管は、既設の第2戸山幹線に接続される。



 ●新宿区新宿6丁目、西新宿1丁目付近再構築工事/フジタ・前田建設共同企業体――――――――――――――――――――
本社/東京都渋谷区千駄ヶ谷4丁目25-2修養団sydビル
tel. 03-3402-1911
本店/東京都千代田区富士見2丁目10-26
tel. 03-3265-5551

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