建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年10月号〉

寄稿

豊かな水環境の創造と安全で安心なまちづくりに向けて

大阪府 東部流域下水道事務所 所長 大石 寛道

大石 寛道 おおいし・ひろみち
昭和44年4月大阪府 入庁 以来下水道事業に携わる
平成5年4月下水道課 主幹 ((財)大阪府下水道技術センター調査研究課長)
平成11年4月下水道課 主幹
平成12年4月東部流域下水道事務所 建設課長
平成13年4月下水道課 参事 (日本下水道事業団 大阪湾工事事務所長)
平成16年4月南部流域下水道事務所 次長
平成17年4月東部流域下水道事務所 所長

▲なわて水みらいセンター
▲竜華水みらいセンター

 府域の中央部を所管する東部流域下水道事務所では、淀川左岸流域、又、全国に先駆けて流域下水道事業を実施した、寝屋川流域(北部処理区、南部処理区)の2流域3処理区で事業実施している。
 淀川左岸流域は管内北部に位置し、計画処理区域面積5,864ha、計画処理人口451,400人、処理場1箇所(渚水みらいセンター)ポンプ場1ヶ所、幹線管渠21.6kmの計画となっている。渚水みらいセンターは142,600m3/日の施設が稼動中で、管渠は約89%(19.3km)が完成している。普及率(人口普及率)は約86%となっており、流入水量の増加に対応すべく現在55,200m3/日の水処理施設の増設を進めている。
 寝屋川北部流域は管内中部に位置し、計画処理区域面積6,725ha、計画処理人口750,000人、処理場2箇所(鴻池水みらいセンター、なわて水みらいセンター)ポンプ場9箇所、幹線管渠56.5km、増補幹線及び直送幹線34.5kmで計画されている。鴻池水みらいセンターは331,000m3/日の全処理施設が稼動中で、管渠は幹線が100%(56.5km)増補・直送幹線が約34%(11.6km)完成し、9箇所のポンプ場はすべて供用中である。普及率(人口普及率)は約94%となっており、なわて水みらいセンターでは、76,000m3/日対応の水処理施設を築造中で、早期供用を目途に事業を進めている。併せて雨水排除能力のレベルアップを目的とした、増補幹線工事についても鋭意事業進捗中である。
 寝屋川南部流域は管内南部に位置し、計画処理区域面積8,917ha、計画処理人口854,000人、処理場2箇所(川俣水みらいセンター、竜華水みらいセンター)ポンプ場9箇所、幹線管渠70,9km、増補幹線及び直送幹線36.8kmで計画されている。川俣水みらいセンターは380,000m3/日の全処理施設が稼動中で、管渠は幹線が約93%(66.1km)増補・直送幹線が約60%(22.2km)完成し,9箇所のポンプ場はすべて供用中となっている。普及率(人口普及率)は約88%となっており、竜華水みらいセンターでは、138,000m3/日対応の水処理施設を早期供用を目途に建設中である。併せて増補幹線工事についても、鋭意事業推進に努めているところである。
 現下の厳しい財政状況のもと、コスト削減・効率的な事業執行に努めることは勿論、持続発展可能な循環型社会の創出を目標に豊かな水環境の創造や浸水被害の無い安全で安心なまちづくりに所員一丸となって取組んでいるところである。



大阪府の下水道整備事業に貢献
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