建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年10月号〉

寄稿

活力のある地域社会づくりを目標とした施策を展開

―北海道帯広土木現業所 平成 18年度事業概要

北海道帯広土木現業所長 紺野 寛

紺野 寛 こんの・ひろし
昭和27年4月生
忠類村出身
金沢大工卒
平成11年建設部まちづくり推進室  都市計画課長補佐
平成13年同都市環境課長補佐
平成14年網走土現企画調整室長
平成16年建設部道路整備課長
平成18年帯広土木現業所長

 帯広土木現業所管内は北海道の南東部に位置し、一市十六町二村からなり、東西に約110q、南北に約160q、総面積10,831?で北海道の面積の13%を占めています。この広大な大地で、畑作、酪農、畜産を主体とする基幹産業である農業は、全道一の生産額を誇り、日本の重要な食糧基地として位置づけられています。
 当土木現業所の建設・維持・管理している主な土木施設は、道路107路線で約1,700q、河川は223河川で約2,300q、(佐幌ダム、砂防施設132箇所含む)、海岸では8海岸約76q、漁港5港、道立十勝エコロジーパークの都市公園、十勝川流域下水道です。また、今年4月からは、道庁の組織改正に伴い建設指導課が支庁より移管されたことにより、道営住宅約1,300戸余りも管理することになりました。
 平成18年度帯広土木現業所が執行する事業費は約218億円(対前年比88.8%)で、全土木現業所が執行する事業費の約10.1%相当分となっております。
 本年度は、十勝の安全で豊かな、住みよい地域社会形成のため、災害に対する安全性の向上に寄与する河川事業や高速交通ネットワークの強化、地域交通網の形成を図る道路事業をはじめ、砂防、下水道、漁港等の生活基盤整備を進め、活力のある地域社会づくりを目標として施策を展開致します。

▲中札内インター線
▲翠柳大橋
道路事業

 高速交通ネットワーク形成のため、高規格幹線道路帯広広尾道路の進捗に合わせて、中札内インター線の早期供用を目指し、工事の促進を図ります。
 主要道道本別士幌線では士幌町の交通隘路区間の改良工事を促進し、特に冬期における、スリップ等による死傷事故の防止を図ります。
 上士幌町の中心市街地活性化を支援するため、士幌上士幌線の歩道整備事業の工事促進を図ります。
 また、主要道道帯広浦幌線翠柳大橋は帯広圏域環状道路の北側ルートの一部を形成し、十勝川温泉、道立公園十勝エコロジーパークへのアクセスを担っており、帯広圏域の地域観光や物流の効率化に資するため、今年度より工事期間3カ年で橋梁上部工の整備を始めます。
 浦幌町と釧路市を海岸線で結ぶ一般道道直別共栄線では、国道336号線の海岸線道路の整備に合わせ、接続する厚内トンネル(延長218m)の掘削に着工します。
 更に、市町村合併を支援する道路整備として、幕別本町と忠類地区を連絡する主要道道幕別大樹線の糠内地区での拡幅改良工事に着手するとともに、幕別本町での踏切除却工事の本体工事に着工します。

街路事業

 3・4・207札内南大通(幕別帯広芽室線)はJR根室本線との立体交差(道路のアンダーパス化)工事の事業促進を図ります。
 また、3・3・8弥生通(幕別帯広芽室線)の札内清流大橋から青葉通までのJR根室本線との立体交差(道路のアンダーパス化)を含む区間及び3・3・128鈴蘭公園通の国道241号と鈴蘭新道を結ぶ区間について円滑な交通確保を図るため整備の促進を図ります。

▲エコロジーパーク・水と霧の遊び場
北海道道立十勝エコロジーパーク

 十勝エコロジーパークは、昭和60年に十勝川を遡上する「サケ」をテーマとした「サーモンパーク構想」に端を発し、その後、「環境の保全と育成、人と自然との共生」をテーマとした「環境育成型」の新しい公園を目指し、「十勝サーモンパーク」から「十勝エコロジーパーク」へと名称変更されました。
 この公園の中にあって「北海道立十勝エコロジーパーク」は、十勝エコロジーパークの中核をなす施設、「道立公園エリア」、「幕別町エリア」、「池田町エリア」の一つとして、平成10年度から事業を開始し、平成15年には一部開園、平成18年4月から全面供用された道立都市公園です。

下水道事業

 十勝川流域の水質保全と生活環境の改善を図るため、十勝川流域下水道事業を昭和52年度から着手しており、平成18年度は音更2号幹線等幹線管渠の整備、浄化センター中央監視装置等電気機械設備の更新を進めています。

河川事業

 利別川については、平成13年、15年の台風による大雨で大きな被害を受け、改修事業の区間延伸を行った足寄町、陸別町間約42kmについて、昨年度に引き続き抜本的な洪水対策を行うための用地調査及び工事実施設計を行います。併せて下流部の本別町から足寄町までの区間21kmについて、平成20年度の暫定完成を目指して整備を促進します。
 平成14年に溢水氾濫した、猿別川とその支川のサッチャルベツ川についても引き続き整備を促進し、地域住民の安全で安心した生活の確保を目指します。
 機関庫の川については、帯広市内の区画整理事業にあわせて、まちづくりと一体となった「ふるさとの川」としての整備を進めていきます。
 ダム事業では、昨年度に引き続き佐幌ダムの堰堤改良工事を行い、平成 19年度の完成に向け整備を進めます。

▲森の沢川砂防
砂防事業

 砂防事業は、昨年度に引き続き森の沢川やペンケ新得川など6渓流で渓畔林などの渓流環境の保全を図りつつ土砂災害防止のための砂防事業を進めます。
 また、平成15年の台風により大きな被害を受けた学校の沢川の砂防工事は調査が完了し本年度より本工事に着手します。
 雌阿寒岳火山砂防工事では国、道、関係市町村間の火山情報共有化のため、北海道担当ルートの光ケーブルの敷設を進めます。

漁港事業

 昨年に引き続き大樹、厚内の2漁港について、水産基盤整備事業計画に基づき、防波堤などの整備を進めます。

災害復旧事業

 平成17年9月の台風14号による豪雨で被災した利別川や美里別川などの13箇所の河川災害、及び鹿追糠平線などの3箇所の道路災害を実施し、豪雨災害に強い社会基盤整備を目指します。





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