建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年8月号〉

ZOOM UP

地下歩行者ネットワークと広小路の駐車場整備で新しい街への発展に期待

歩行者専用道・駐車場の整備で来街者の利便性を向上し地域の活性化を図る
――都と台東区が東京地下鉄鰍ノ施工委託――

東京都建設局第六建設事務所・台東区 上野地下歩行者専用道・上野広小路駐車場整備事業


東京都第六建設事務所及び台東区は、上野地区の地下歩行者専用道と広小路駐車場の整備事業を進めている。浅草地区と同様に、同地区は東京の副都心として位置づけられている。既存の商業集積、観光・文化施設を活かしながら、業務、文化、観光、レクリエーション施設などを備えた新しい街の発展が期待されている。
 同地区の整備概要は、開削工法で地下駐車場及びこの範囲に位置する地下歩行者専用道を合わせて築造する。整備箇所は、中央通り(都道437号線)と不忍通り(都道437号線)の三叉路交差点部に位置しており、上野公園や不忍池、アメヤ横丁などに近い。そのため、昼夜間を通して歩行者と車両の過密地域になっている。
 地下歩行者専用道は、都営大江戸線のコンコースと京成上野駅を結び、この整備では地下駐車場の範囲を築造する。
 地下駐車場は、地下3階層の構造で、東京地下鉄銀座線を地下1階層で抱き込む形式となる。この掘削幅は、現道の大半を占める38〜58m、深さは約26m。大型洞道などを含む埋設物が多く輻輳しているため、大規模な開削整備をし銀座線を仮受しながら最新鋭の技術を駆使し、細心の注意を払って進めている。

同地区は、JR、京成電鉄、東京メトロ銀座線、日比谷線、都営地下鉄の大江戸線などの結節点となっている。また、上野公園や美術館といった文化施設も多く、歩行者ネットワークの充実が必要な地域でもある。反面、副都心に相応しいまちづくりの課題として、駐車場の不足による路上駐車の蔓延が、防災機能の低下や都市環境の悪化を招いている。
 この状況から、東京都と台東区では、道路の地下空間の有効利用による歩行者の安全性や利便性の向上、地域の抱える駐車場問題について、中央通りの地下に歩行者専用道及び駐車場を整備し同地区のより一層の発展を図るのが目的だ。
 地下歩行者専用道は、既存の地下通路と都営大江戸線のコンコースを結ぶものである。日比谷線仲御徒町駅、JR御徒町駅、大江戸線上野御徒町駅、銀座線上野広小路駅、京成線・JR・銀座線及び日比谷線上野駅の8駅が接続されることになる。これにより、地下歩行者ネットワークを形成する。また、区が計画する300台の駐車場整備の効果で、路上駐車の減少と道路交通の円滑化で来街者に対して利便性を向上させ、地域の活性化を促していく。


 上野地下歩行者専用道及び上野広小路駐車場建設一工区土木工事
●鹿島・戸田・勝村建設工事共同企業体――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
鹿島建設株式会社 戸田建設株式会社 勝村建設株式会社
 
 上野地下歩行者専用道及び上野広小路駐車場建設二工区土木工事
●大林・大成・不動建設工事共同企業体――――――――――――――――――――――――――――――――――――
株式会社大林組 大成建設株式会社 不動建設株式会社
 


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