建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年7月号〉

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魅力ある都市空間づくり創成川河畔が緑と潤いと憩いの場に

――札幌都心部の交通渋滞緩和・南北の主軸創成川通アンダーパス連続化

札幌市建設局

札幌市中心部の南北交通の主軸である創成川通で、アンダーパス連続化事業と、それに付随する緑化整備計画が進められている。道路中央に位置する創成川は、さっぽろの創生期には運搬水路としての役割を果たし、また札幌のマチづくりの起点地としての歴史を持つ。札幌市は、都心部の高次な都市機能と快適で魅力ある空間をコンセプトに、地下アンダーパスの連続化整備と地上空間整備を行い、長年の課題となっていた交通渋滞緩和と地域の活性化を目指している。
 創成川通のアンダーパス連続化は、昭和46年に完成した南アンダーパス(南5条〜南2条)と、北アンダーパス(大通〜北3条)の二つの間を一貫してトンネルで結ぶもので、平成14年から予備設計に入り、トンネル部の実施設計、準備工と上空間整備に関する調査検討を進めてきた。
 アンダーパス連続化の工事概要によると事業区間を豊平川左岸〜北3条通までの1,420mとし、トンネル区間は約1,100m。幅員56.82m(創成川を含む)に決定。車線は8車線(地上4車線、地下4車線)。トンネルは、平成20年度には供用開始の予定。
 現在は、創成川沿いの樹木が移植・伐採工事も終わり、平成17年度から準備工・本体工事に着手している。創成川通の交通量は一日で5万台にも及ぶため、一般車両の交通に支障を来さないよう河川を暗渠化し、工事区間の河川水をパイプに通して埋め立て、その上を仮設道路などに利用することで、一般車両の交通を確保する。
 また、本体工事の支障となる地下埋設物の移設・撤去工事もほぼ終了しており、今年度からいよいよ本格的なトンネル掘削に着工することになっている。掘削は開削工法で、土留め杭工事、覆工版を敷設し、完了後にトンネル構築として、鉄筋組み、型枠設置、コンクリートを打設する。最終工事となる復旧・設備工事の完了は平成20年度を予定している。
 地上部の整備事業計画は平成18年から実施設計に入り、本格的な道路工事を進めていく。計画では、車線は創成川を挟んで各2車線とし、歩道を拡幅すると同時に停車帯も設置する。完成はトンネルと同時期の供用予定。
 一方、地上空間整備として創成川の再生では、河川や緑地整備計画は、市民ワークショップやアンケートなど幅広い意見を集約。その結果、緑を感じる都心の街並み形成計画として具体化した。工事は、トンネル構築の完了とほぼ同時期に始まり、再生された河畔には「ハルニレ」と「ライラック」、道路部の街路樹には「かつら」が植樹される予定。川辺は市民が水と親しむスペースを考えた整備となる。
 本事業によって、南5条から北3条までがアンダーパスで完全に結ばれることになり騒音の低減や、課題となっていた都心部周辺道路の混雑が解消され、交通の速達性と各交差点の混雑緩和が図れる。特に、停車帯の設置は荷さばきや冬期間の雪の堆積対策などによる渋滞の緩和に大きな効果が期待できる。
 一方、創成川通周辺の整備再開発により東西市街地の一体化と地域活性化が期待できる。創成川の親水空間は市民に潤いと憩いの場を提供することになり、平成22年度には、魅力あふれる札幌都心部空間が創出される。



創成川通道路改良(アンダーパス連続化)工事
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