建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年7月号〉

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災害に強い森林づくり・防災に配慮した町づくりへの取り組み

北海道日高支庁治山・林道


▲木製流路工(日高町)
日高の治山事業

日高管内は、日高山脈を中心とした脊梁山系が北西から南東に横たわり、ほぼ平行に走る太平洋沿岸に挟まれた狭隘な地域である。国道を中心とした町づくりが進められ、山間奥地に通ずる道路網も整備されたことから、牧場や畑地の開発が進められている。
 地質は日高変成帯の影響により、断層や褶曲が入りこみ脆弱で複雑な地質構成となっている。このため、台風や集中豪雨、融雪時などに渓流から大量の土砂を流出し、地すべりや山腹斜面の崩壊が発生し多大な被害をもたらしている。昭和56年には、門別町で雨量292mmに至る集中豪雨により激甚災害が発生するなど、海岸線地帯は集中豪雨傾向にあった。近年では、他の地域でも集中豪雨多発により、多くの山地災害が発生していることから、災害に強い山造りを目指した計画的な治山事業を進め、山地災害の復旧及び未然防止を図っている。
 こうしたことから、地域住民の安全、防災に配慮した町づくりを進めるため、平成16年度に『災害に強い森林づくりに向けて《実践方策》』を策定し、各人の役割に応じた自主的な取り組みを目指している。

▲森林基幹道福美線(新ひだか町)
日高の林道事業

管内は太平洋沿岸に長く位置している地理的条件のため、沢沿いの林道が多く、縦断する路線は公道等を含めても海岸線を走る国道235号線及び336号線のみである。
 大雨等による災害発生時の代替ルートとしても、これら路線を多面的に結ぶ路線の整備が急務となっていることから、日高支庁は平取町の道道を起点とし、日高町、新冠町、新ひだか町、浦河町、様似町を経てえりも町において、国道336号線に接続する大規模林道「平取・えりも」線が昭和57年度に政令指定を受け、昭和59年度より工事に着手している。
 また、林道網の整備は「森林資源基本計画」に基づき、管内の森林資源がその多目的機能を、さらに総合的かつ高度に発揮するため、公道等を含めた目標林内路密度18.6m/haにむけて、計画的・積極的に整備を進めている。



●新冠町
判官館団地d復旧治山工事
出口・笹木共同企業体
 ●新冠町古岸地区その1
地域防災対策総合治山工事
酒井・上田共同企業体
●えりも町  森林基幹道
えりも線目黒工区開設工
南・鵜木共同企業体

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