建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年7月号〉

寄稿

的確な安全対策で地域整備を推進

―北海道小樽土木現業所 平成 18年度事業概要

北海道　小樽土木現業所長　渡辺 彰彦

渡辺 彰彦　わたなべ・あきひこ 昭26年9月生　札幌市出身、北大工卒、昭63帯幌土現治水課河川係長、平2土木部河川課ダム室ダム建設係長、平4同ダム計画係長、平7帯広土現治水課長、平9札幌土現同、平10水産林務部総務課主幹（栽培漁業振興公社派遣）、平12建設部河川課ダム室主幹、平14札幌土現企画総務部企画調整室長、平15同事業部長、平16道建設部道路計画課参事、平18小樽土木現業所長

▲島牧村折川高潮対策工事

平成18年度公共事業当初予算

小樽土木現業所の平成18年度公共事業当初予算は、110箇所、約145億9千3百万円（対前年度当初比91％）となりました。
　道路建設課所管（道路、街路、下水道）は、69箇所、82億5千6百万円。
　道路事業は、積丹町の野塚婦美線改良工事の完成を目指すほか、小樽市の小樽定山渓線の地すべり対策の整備促進や喜茂別町金山地区の清原喜茂別線の急カーブと狭隘な橋梁部の線形改良整備を行うなど、63箇所、76億2千6百万円（対前年度比95.3％）。
　街路事業は、小樽市内の3･2･4臨港線jr勝納跨線橋の耐震補強整備に係る用地補償と3･4･17朝里温泉通の拡幅整備に係る用地補償に着手するなど5箇所、4億5千6百万円（対前年度比407.1％ ）。
　下水道代行事業は、共和町の幹線管渠の完成と下水道管理センターの2池目の電気機械設備の増設に着手する。1箇所、1億7千4百万円（対前年度比95.0％ ）。
　治水課所管（河川、砂防関係、海岸、漁港）は41箇所、63億3千7百万円。
　河川事業は、余市町の余市川で緊急対策特定区間の重点的整備を進めるほか、喜茂別町の尻別川・寿都町の朱太川の河道整備や島牧村の折川・泊川高潮対策事業の完成、共和町の堀株川の地区完成を目指すなど18箇所、42億2千8百万円（対前年度比91.9％ ）。
　砂防関係事業は、岩内町の幌内川砂防・仁木町の銀山学園地すべり対策、小樽市の小樽天神3丁目4急傾斜地崩壊対策の整備促進など14箇所10億4千5百万円（対前年度比116.5％）。
　海岸事業は、小樽市の銭函海岸の整備促進に1億6千万円（対前年度比19.0％ ）。
　漁港関係事業は、神恵内村の川白漁港・泊村の盃（カブト地区）漁港、島牧村の厚瀬漁港の整備促進、小樽市の塩谷漁港・寿都町の有戸漁港の完成を図るなど7箇所のほか、積丹町の美国漁港海岸の環境整備を行うなど、計8箇所、9億4百万円（対前年度比61.6％ ）。

▲赤井川余市線冬期交通状況

各事業の概要

安全で安心して走行できる道路通行を確保するため、積丹町の野塚婦美線の改良工事の完成を目指し、赤井川村と余市町を結ぶ余市赤井川線では冷水峠のトンネルの設計などを行い、島牧村の島牧美利河線と小樽市の小樽定山渓線では地すべり対策整備を促進するほか、神恵内村の古平神恵内線は山岳橋（大雪崩橋）に近接の急傾斜面からの雪崩対策の整備促進を図ります。真狩村市街地では、まちなみ再生と連携した岩内洞爺線の堆雪幅確保の整備を進め、また、寿都町の寿都停車場線においても中心市街地再生と連携する道路整備に先行して物件補償関係を進めるとともに本工事に着手いたします。
　市町村代行事業は、愛媛団体通（ニセコ町）真狩川橋の下部工と賀老高原通線（島牧村）の整備を進め、浜中入船線（余市町）の用地補償を進めるとともに本工事に着手いたします。

小樽市内の街路3・2・4臨港線でjr勝納跨線橋の耐震補強整備の用地補償の完成をめざすとともに3・4 ・17朝里温泉通の堆雪幅確保と歩道拡幅整備に係る用地補償も着手いたします。

過疎地域の下水道整備を町村に代わって北海道が行う過疎下水道代行事業は、共和町の幹線管渠布設の完成を目指すとともに下水道管理センターの2池目の機械電気設備の増設も着手いたします。

安全で快適な生活産業基盤の保全を図るため、余市町の余市川では平成20年度までに河口から上流約2�qまでの緊急対策特定区間で内水氾濫対策の排水機場・浚渫等の重点的な整備を進めてまいります。
　また、喜茂別町の尻別川、寿都町の朱太川などで築堤・河道掘削・護岸の整備を促進していきます。
　小樽市の朝里川と勝納川では、憩いと潤いのある水辺空間の形成を図り周辺景観に配慮した護岸、散策路などの整備を進めてまいります。
　南西沖地震による津波被害のあった島牧村の折川、泊川においては、高潮対策の河川築堤や護岸の整備を事業の完成を目指します。

砂防事業は、土石流災害対策として蘭越町の蘭越第一川、古平町の新地西の沢川、火山砂防の岩内町の幌内川の3箇所の完成を目指すとともに、小樽市の団地沢川、仁木町のマカナイ川、余市町の石切川など6箇所で整備を促進するほか、土砂災害防止法に基づく基礎調査を行います。
　急傾斜地崩壊対策事業は、小樽市内において富岡2丁目2と天神3丁目4の整備促進を図ります。
　地すべり対策事業は、仁木町の銀山学園地区、島牧村の豊平橋地区の2箇所で整備を促進し、雪崩対策事業は古平港町4で整備を進めてまいります。

建設海岸は、小樽市の銭函海岸で2基目の離岸堤の完成を目指します。

安全で良質な漁獲物の安定供給に寄与する地域水産物供給基盤整備事業を、泊村の盃（カブト地区）漁港、神恵内村の神恵内漁港・川白漁港、島牧村の厚瀬漁港の4港で整備を促進し、小樽市の塩谷漁港、寿都町の有戸漁港の2港で概成を目指します。

▲3.2.4臨港線利用状況	▲勝内川改修工事	▲勝納跨線橋