建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年7月号〉

寄稿

安心・安全な地域社会の整備に向けて

―北海道釧路土木現業所 平成 18年度事業概要

北海道 釧路土木現業所長 上原 博

上原 博 うえはら・ひろし
昭25年11月生 倶知安町出身、大東文化大卒、昭63東京事務所主査、平2土木部砂防災害課工事第1係長、平3住宅都市部まちづくり推進室主査、平5土木部総務課人事係長、平8釧路支庁総務課長、平10建設部建設企画室企画調整課長補佐、平13檜山支庁地域政策部長、平16建設管理室建設情報課長、平18北海道釧路土木現業所長
▲釧路環状線道路改良工事

釧根地域は、3つの国立公園と2つの道立自然公園など道内有数の観光資源を有しております。さらには、昨年7月14日に知床が世界自然遺産に登録されるなど管内を巡る情勢は大きく変化しており、今後、様々な展開が期待されているところであります。
 釧路土木現業所では、この釧根地域のすぐれた地域特性を生かし、管内の振興を図るため、環境や景観に配慮しながら社会基盤の整備を進めていきます。さらに平成15年度に釧根地域を襲った大地震など大規模な災害を踏まえ、安全で安心して暮らせる地域社会の形成に向けて、防災・震災対策への取り組みを重点的に推進していきます。
 平成18年度当初の公共事業費は、事業費166億7千9百万円、箇所数112箇所で事業費については対前年比88.9%と減少しています。
 道路事業は事業費80億7千5百万円で箇所数は69箇所となっています。
 主な事業としては、羅臼町相泊と羅臼町市街地を結ぶ唯一の道路である知床公園羅臼線では、落石対策を目的とした災害防除工事を集中的に実施しております。
 釧路環状線の武佐地区においては、渋滞緩和及び交通ネットワークの強化を図るため、釧路市東部地区と釧路町を結ぶ新たなルートとして整備を進めています。今年度は、仮称武佐大橋の上部製作を予定しております。
 街路事業は事業費14億4千3百万円、箇所数4箇所となっています。

▲春採急傾斜地崩壊防止工事

主な事業としては、 「3・3・13星が浦海岸通」において、国道38号線からjr根室本線を交差し釧路西港第4埠頭へアクセスする幹線道路として整備を進めています。
 河川事業は事業費18億5千8百万円で、箇所数10箇所となっています。
 主な事業として、釧路川が平成10年に国土交通省の「ふるさとの川整備事業」に指定されていることから、治水対策を進めるとともに釧路のシンボルにふさわしい市民の憩いの場となる河川空間の整備を進めます。
 砂防・急傾斜・地すべり事業は事業費4億4千3百万円で、箇所数8箇所となっています。
 主な事業としては、雌阿寒岳における火山泥流や土石流など、火山噴火による災害から住民を守るため、観測局機器や通信設備整備など火山噴火警戒避難対策事業を進めます。

▲釧路鶴居弟子屈線交安1種工事

建設海岸事業は事業費13億2千6百万円、箇所数5箇所となっています。
 主な事業としては、日本最大の砂嘴であり、道立自然公園に指定されているとともに昨年ラムサール条約登録湿地に登録された野付半島を侵食から守るため、野付崎海岸において自然に配慮した自然と共生する海岸の整備を進めます。
 漁港事業は事業費24億5千2百万円で、箇所数14箇所となっています。
 主な事業としては、標津漁港では、「安全・安心」を原点に衛生管理と周辺環境に配慮した整備を基本方針として事業を進めます。
 漁港海岸事業は事業費5億4百万円で、標津漁港海岸で、標津町が実施している海洋性レクリエーションスペースの創造を目的としたマリンプラザ事業を支援する環境整備事業を進めます。





釧路管内の発展に貢献します
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