建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年6月号〉

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雲仙・普賢岳で復興事業を進行中

――地域住民と行政が一体となる復興を支援

国土交通省 雲仙復興事務所 雲仙復興砂防事業

長崎県島原半島のほぼ中央に位置する雲仙・普賢岳は、噴火活動が再開した平成2年11月から平成8年5月までに、9,432回も発生した。雲仙復興事務所は、火山活動で形成された平成新山の湯江川、中尾川、水無川の流域で砂防事業を行っている。雲仙・普賢岳の山麗には、噴火活動で堆積した土砂や転石で、噴火以前の地盤よりも約130mも高くなっており、その量は約1億7千万m3もある。現在、雲仙・普賢岳の噴火活動は終息しているが、噴出した堆積物が雨によって浸食されやすい。そのため、今後も土石流の発生が懸念されている。
 そこで、同事務所で実施している主な事業は、水無川、中尾川、湯江川での火山砂防である。
 水無川の流域では、平成13年度に下流部の導流堤が完成しており、その後、上流部の砂防えん堤建設が進められた。17年度からは、下流部の導流堤をまたぐ、水無上流大橋(仮称)に着手しながら、上流部では赤松谷川の砂防えん堤建設を継続している。
 中尾川の流域では、16年度に下流部の導流工が完成し、現在は上流部の砂防えん堤建設が進められ、17年度からは県道愛野島原線の付け替え工事を実施している。
 湯江川の流域では、11年度から砂防えん堤の建設に着手し、継続して行っている。
 さらに、地域の復興再生を支援するため、島原中央道路を地域高規格道路として整備している。この整備により、深江・島原から諫早icまでの所用時間が約50分の短縮が見込まれている。それにより、地域連携を強化し、物資の流通促進や緊急医療体制の確保に繋げていく。
 その他に、同事務所では火砕流で焼失した約1,600ヘクタールの森林を復元する植樹活動、砂防事業の重要性や地域住民の防災に対する意識を高めていき、地域住民と行政が一体となる復興を支援している。

▲水無川 ▲中尾川

 ●赤松谷川1号床固工工事  ●赤松谷川4号床固工工事
株式会社熊谷組 株式会社大本組
 ●水無川上流橋下部工(a1・a2)工事  ●北千本木川2号砂防えん堤越流部工事
株式会社三基 株式会社下田組
 ●焼山川中流背割堤工事  ●北千本木川2号砂防えん堤右岸本体工事
佐藤建設株式会社 合資会社小場

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