建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年6月号〉

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北アルプスの貴重な自然と流域の安全を守る

――梓川、高瀬川、姫川流域で砂防事業を推進

国土交通省 松本砂防事務所 松本砂防事業

▲梓川上流

松本砂防事務所は、3,000m級の山が連なる北アルプスの梓川、高瀬川、姫川の流域で砂防事業を行っている。山岳観光地として有名な北アルプスだが、土石流や地すべりなどの土砂災害の多い地域でもある。特に姫川、高瀬川、梓川は糸魚川−静岡構造線上を流れ、非常にもろい地質で、流出しやすい火山堆積物で覆われている。また、河川の勾配が急であるため、少量の雨でも大洪水となりやすい。
信濃川上流域では奈川水害、上高地水害、高瀬川災害などで、幾多の甚大な被害を受けており、平成7年7月の出水では、姫川水系で土砂災害が発生し集落の孤立化や国道148号、jr大糸線などの交通網の寸断等により大きな被害を受けた。
このため、平成18年度は地域住民の安全、生活基盤の安定を図るための砂防事業を推進するとともに、魚道の設置や景観に配慮した砂防施設の設置など、自然環境や景観に配慮した砂防事業を行う。具体的には、新潟県糸魚川市で葛葉山腹工を行うほか、小滝第3号砂防えん堤を完成させる。長野県松本市ではアルプス公園中継所(仮称)の完成、栃洞沢上流床固工群整備促進を図る。大町市では大冷第5号砂防えん堤の災害復旧、鹿島川砂防林整備を推進する。小谷村では浦川渓岸山腹工の完成を図るほか、白馬村で平川再生工を推進する。
そのほか、cctv、土石流センサーなどの監視観測機器を整備し、情報を迅速勝的確に収集するとともに、関係機関や地域住民に提供するための光ファイバー網の整備を進めるなど、itを活用した土砂災害対策を推進する。
一方、土砂の有効利用を目的に、粗石コンクリートやソイルセメント工法を活用した事業を推進し、リサイクル・コスト縮減も図る。

▲槍ヶ岳・梓川上流 ▲アルプス山岳館(仮称)
▲南又第2号床固工魚道設置他工事 ▲平川渓流再生工工事 ▲日向山第7号・8号床固工工事

桜島砂防出張所地区 工事安全対策連絡協議会

 ●日向山第7号・8号床固工工事  ●平川渓流再生工工事
株式会社守谷商会
長野県長野市南千歳町878番地
tel. 026-226-0111
株式会社相模組
長野県大町市大町3052番地
tel. 0261-22-1800

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