建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年6月号〉

town report

東室蘭自由通路は平成19年度の早期供用を目指す

北海道室蘭市長 新宮 正志

室蘭市の平成18年度予算は、一般会計が411億4,100万円、特別会計と企業会計を合わせた総額では910億9,100万円となった。
 市では市民との協働を広げるとともに、安全・安心の確保と財政の確立による自主・自立のまちづくりを進めるため、「行財政改革の推進」、「まちづくり・ものづくり」、「「心をつなぎ、地域を結ぶサークル都市の創造」の3つの柱をまちづくりのコンセプトとし、施策を展開していく方針だ。

▲終点側(八幡地区)からjr黒崎駅方面を望む
行財政改革の推進

今年度は「行政改革プログラム2000」の後期実施計画を策定する年にあたることから、小さく効率的な市役所を目指し、当面の人事政策や市民とともに進める協働改革を主な柱として行財政改革を進める。具体的には、平成22年度の普通会計で600人体制を目指し、徹底した事務の見直しと指定管理者制度のさらなる活用を進めるほか、組織機構の見直しや職種別のキャリア採用の実施などを行う。また、行政パートナーの範囲や支援の拡大を図るため、市民の声を取り入れ、後期実施計画の策定を進める。

ものづくり・まちづくり

 製造業を中心としたものづくりの技術継承を図るため、地元採用やインターンシップを通じて若い力・意欲ある担い手の確保育成を進める。また、室蘭工業大学との包括連携を積極的に推進し、「産業創出プロジェクト推進事業」などを通じ、ものづくりのまちの形成を図る。そのほか、入江地区では自然エネルギー有効利用推進事業として、民間事業者と連携した新たな風力発電事業や、昨年室蘭工業大学が設置した「環境科学・防災研究センター」と地域との連携を図るなど、まちづくりを含めた環境産業拠点形成の取り組みを進める。
 一方、まちづくりでは、平成19年度の早期供用を目指し東室蘭自由通路の建設を進め、完成後に設置される、統合サービスセンターとともにまちの顔となる快適な空間の創造を図る。
 室蘭港では中央ふ頭において客船の入港やイベントの場など交流環境の創出を図るとともに、公共埠頭整備と併せたroro船就航も視野に入れたポートセールスを展開。追直漁港ではmランド構想の進捗の中、まちとの交流を視野に入れたマリンビジョンの策定を推進する。
 既存商店街を中心とする「まちなか」については、産業の空洞化のほか老朽施設等による安全性の低下などの課題を解決するため、特色ある店づくりや子育て施設、高齢者の居場所づくりなど時代に対応した「まちの新たな機能」や高齢者の住み替え・定住対策を視野に入れ、病院、商店、文化施設など利便の近くに住居を誘致する「まちなか居住」の推進、さらには地区ごとに歩いて用事の足せる「まちのコンパクト化」を図り、サークル都市を生かした合理的な都市機能の配置を進め、「新たなまちへの再生」を目指す。

心をつなぎ、地域を結ぶサークル都市の創造

新たに地域情報の発信、人材発掘・育成、市民交流の拠点として(仮称)市民活動サポートセンターを開設し、市民同士が輪を広げるための支援を進める。また、まち「ピカ」パートナーの充実・拡大や「まちづくり活動支援補助金」に加え、「子どもを守る総合対策プロジェクト」などで地域住民の自主的な取り組みへの支援を行いながら、「心がつながるサークル都市」形成に向けた市民と行政の協働を積極的に進める。

主な建設事業

そのほか、今年度の主な建設事業としては、新規事業で舟見町団地建設や中
島・日新統合校舎建設に着手するほか、継続事業として東室蘭駅周辺整備や知利別川整備、中島中央通整備、崎守地区小型船だまり整備、東町弥生団地駐車場整備、下水道施設整備などを行う。



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