建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年6月号〉

寄稿

地域課題に的確に対応した質の高い社会資本整備を推進

―北海道旭川土木現業所 平成 18年度事業概要

北海道 旭川土木現業所長 長尾 博志

長尾 博志 ながお・ひろし
昭和24年5月26日生まれ
出身 札幌市
学歴 北海道札幌北高等学校卒業
   北海道大学工学部卒業
昭和48年4月北海道庁入庁
平成6年4月北海道札幌土木現業所道路建設課長
平成8年4月北海道建設部道路整備課長補佐
平成11年5月北海道札幌土木現業所深川出張所長
平成13年4月北海道旭川土木現業所事業部長
平成14年4月北海道建設部都市環境課長
平成 17年 4月 現職

はじめに

旭川土木現業所の平成18年度当初予算は、単独事業を含めた総額で約278億3千万円が配分されたところですが、当所といたしましては、厳しい道財政を踏まえ、限られた予算を有効に活用し、地域連携会議等により国や市町村との連携を強化しながら、地域の意向や特性が的確に反映された投資効果の早期発現が見込まれる事業や、防災対策など緊急性の高い事業を重視し、「選択と集中」により、さらなる整備の重点化・効率化を図ってまいります。

平成18年度事業概要

旭川土木現業所の平成18年度事業予算の総額は、単独事業を含めた総額で278億3千万円、対前年度比97.0%となりました。このうち、公共事業(地方特定含む)については、道路・治水事業を合わせて264億2干1百万円、対前年度比97.1%、単独事業は、道路・公園・河川・砂防事業を合わせ14億9百万円、対前年度比95.9%で、投資効果の早期発現が期待される事業や、防災対策等の観点から緊急性の高い事業などを主体に事業の推進を図ります。

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▲富良野川砂防3号ダム・旭川
道路事業

観光振興を支援する道路整備については、広域観光ルートの形成に向けた道路として、吹上上富良野線、麗郷山部停車場線の整備や東山富良野停車場線の道路改良のほか、サイクルネットワークの推進として、旭川層雲峡自転車道の整備を推進し、愛別町愛山橋までの供用を図ります。
安全・快適な暮らしを支える道路整備としては、災害に強い道づくりとして、夕張新得線の赤岩トンネル及び赤岩大橋(仮称)のほか、瑞穂東川線瑞穂橋・三原橋の整備を推進します。また、十勝岳火災害対策の充実強化を図るための迂回路・避難路として、美馬牛神楽線、美沢上富良野線の整備を推進します。さらに、冬の厳しい道路環境を克服し、安全・快適な道づくりを進めるため、士別滝の上線においてスノーシェルターの完成を図るとともに、美深雄武線等において防雪柵等の整備促進を図ってまいります。そのほか、交通安全施設やバリアフリーの観点での整備を推進するほか、効率的な除排雪の実施など冬期路面対策の充実を図ります。
自立した地域づくりを支援する交通ネットワークの形成・圏域内外との交流を活発化する広域道路網の整備としては、旭川多度志線の湯内トンネルや2号橋、また夕張新得線などで整備を推進します。また、中核都市旭川市とのネットワーク強化として、雨竜旭川線、和寒鷹栖線の整備を推進します。
高規格幹線道路については、日東東雪線菊水橋拡幅(仮称・上川インターヘのアクセス)の完成を図るとともに、トマムインター線の整備を推進し、(仮)占冠インタ一線の整備に着手します。

▲3・3・15永隆橋通
新永隆橋新設工事1工区・旭川
街路事業

「北彩都あさひかわ」関連事業として、鉄道高架事業(限度額立体交差)の鉄道高架本体工事推進を図ります。そのほか、関連事業としては、永隆橋通の新永隆橋(仮称)の整備を推進します。
住み良い都市環境を目指した街路の整備としては、交通渋滞の緩和など都市内交通の円滑化を図るため、環状1号(旭川市)、永山駅前通(旭川市)の整備や、金星橋通の金星橋架換(旭川市)を推進します。また、観光に資する街路整備の推進として、観光地の交通渋滞の緩和などと併せて、環状通(美瑛町)のjr立体交差の完成を図るとともに、富良野駅前広場整備として東5条通(富良野市)の整備を進めます。

公園事業

地域のレクリエーション活動の促進及び冬の利用に配慮した公園整備として、住民参加型の道立広域公園サンピラーパーク(名寄市)の整備を推進し、センターハウス「サンピラー交流館」の年内(11月)供用開始を目指します。

河川・ダム事業

安全性の高い治水対策として、富良野川・剣淵川などの重点整備を図るほか、地域の浸水被害の防止・安全性を高めるため、比布川(比布町)・西達布川(富良野市)・タヨロマ川(士別市)・豊栄川(名寄市)・雨紛川(旭川市)などで事業を推進します。
都市化の進展などに対応した都市河川については、ポン川(旭川市・東神楽町)・牛朱別川(旭川市外)の整備を進めます。
また、多角的な防災対策の強化として、大雨や洪水時に雨量や河川水位等の状況を迅速かつ的確に把握し、河川管理に万全を期するため、双珠別川・剣淵川・辺乙部川における「情報基盤緊急整備事業」を推進します。
そのほか、「生きている川づくり」の推進として、生物の良好な生息環境を保全・創出するための川づくりや、周辺の景観や地域整備と一体となった河川整備を行います。また、貯留施設による治水・利水対策として西岡ダムの整備を推進し、堤体盛り立てに着手します。

▲環状1号線2種改築・旭川
砂防事業

十勝岳周辺地域における火山防災施設の整備については、土石流や十勝岳噴火に伴う火山対策として、富良野川の3号ダム嵩上げ、布部川・ポン布部川・ヌッカクシ富良野川における砂防工事を進めます。また、噴火に伴う土石流や火山泥流に対応した警戒避難に資するため、カメラ等の監視機器を設置する「十勝岳噴火警戒避難対策事業」を推進します。
若牛内川(愛別町)・八幡の沢川(名寄市)の整備を推進するほか、ピヤシリ川(名寄市)における砂防施設の整備を推進します。



上川地域の発展に貢献します
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