建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年5月号〉

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厚幌ダムの付替道道・上幌内早来停車場線の厚幌1号トンネルが1月に貫通

7月のトンネル完成に向け、鋭意工事が進む

北海道室蘭土木現業所 厚幌ダム1号トンネル

▲二次覆工完了状況

 厚幌ダムの本体工事に先行して行われていた付替道道・上幌内早来停車場線・厚幌ダム1号トンネルが今年1月に貫通した。
 ダム建設地の厚真川周辺は古くから降雨量の多い台風期や融雪
期に水害が発生し、中小河川改修工事や局部改良工事等の治水事業が行われてきたが、近年でも台風や豪雨による河岸の決壊・氾濫が発生していることに加え、昨今では農業用水施設の老朽化が激しく、水利形態にも不具合が生じている。また、住宅設備の近代化に伴う水利用形態の多様化や水洗便所の普及など水需要は着実に増加する一方で、取水可能量は限度に達し、新たな水源の確保が強く望まれていることから、抜本的な対策としての治水計画が望まれていた。
 そこで、厚真川総合開発の一環として、治水(洪水調節)、利水(かんがい・水道用水)及び流水の正常な機能の維持(河川環境の保全)を目的とした多目的ダムを計画。
堤高47.2m、総貯水容量4,740万m3、有効貯水容量4,310万m3の重力式コンクリートダムを建設する。
 事業にあたっては、昭和62年から自然環境調査を実施中で、水没してしまう貴重な生物については移植等の対策を検討しているところだ。
 ダム本体の建設については付替道路の一部(約3km)が完成しなければ着工できないため、平成14年度から先行して付替道路の建設を行っている。
 今回建設しているのは区間内で予定されている2箇所のトンネルのうち、幅8.5m、延長333.5mの1号トンネルで、平成17年7月に着手し、一次コンクリートを打ちながら掘削工事を進め、順調に進捗。1月に貫通の運びとなった。
 貫通式は、施工する伊藤・西江特定建設共同企業体関係者とともに、室蘭土木現業所の吉田雅毅所長、地元厚真町の藤原正幸町長など関係者が多数参加し、盛大に行われた。
 今後は二次コンクリートを行いながら仕上げとして路盤の造成と舗装工事を進め、今年7月には完成する予定だ。

▲二次覆工打設状況 ▲掘削完了(終点坑口) ▲ズリ出状況


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