建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年4月号〉

特集・首都圏鉄道整備最前線

【東急目黒線連続立体交差事業】

平成18年7月の地下化切替を目指し、東急目黒線・目黒駅〜洗足駅付近間の連続立体交差事業が進捗中

18箇所の踏切を除却し、沿線の一体的なまちづくりに貢献

▲中央線東区間武蔵小金井駅付近

東京都・品川区・目黒区・東京急行鉄道鰍フ4者は、東急目黒線(目黒駅〜洗足駅付近間)約2.8kmの連続立体交差化事業を進めている。
 東急目黒線は目黒駅から武蔵小杉間に至る路線。平成12年9月26日からは目黒駅において営団(現・東京メトロ)南北線・都営地下鉄三田線および13年3月28日から埼玉高速鉄道と相互直通運転を実施中であり、大幅に利便性が向上している。
 同事業区間には都市計画道路補助26号線をはじめ18箇所の踏切が存在し、道路と鉄道は平面交差となっているが、交通混雑の原因となっていたことに加え、鉄道によって地域が分断され、まちづくりへの支障となっていた。
 そこで補助26号線整備事業の事業認可(平成7年9月)に伴い、区間を連続的に立体化する事業に着手。慢性的な交通渋滞の解消と道路・鉄道それぞれの安全性向上が図られる。また、分断されていたまちが一体化され、駅周辺の整備によって地域の均衡ある発展に大きく寄与する。各駅にはエレベーター、エスカレーターが設置され、誰もが快適に使えるようになるほか、新たに生み出される高架下および地上空間の有効活用により沿線の利便性が向上することになる。また、鉄道輸送の安全性および輸送力の増大に寄与するものとなる。
 工事の延長は2,803m、構造形式は高架方式402m、掘割511m、地下1,890m、18箇所の踏切を除去する。駅施設は不動前駅、武蔵小山駅、西小山駅および洗足駅。この事業により不動前駅から洗足駅までが地下線となる。ホーム延長は8両編成で170m、ホーム幅員は約2m〜9mとなっている。
 事業は平成7年9月7日に都市計画事業認可、翌10月4日に事業着手した。11年には高架区間を高架化し、13年には環状6号線本設桁を架設。15年1月28日には不動前の高架区間が完成している。
 現在、工事を鋭意進めており、本年7月には、残る不動前駅付近から洗足駅付近の地下への切替を行い、18箇所全ての踏切が除却される予定である。目黒駅、洗足駅、大岡山駅は既に地下駅となっており、武蔵小山駅と西小山駅も地下駅となる予定。不動前駅は地上駅となる。
 一方、品川区ではこの事業に併せ、西小山駅前と武蔵小山駅前で駅前広場と広場へのアプローチ道路の整備を進めている。これにより「まち」の表玄関としてふさわしい、魅力ある駅前空間の創出とさらなる「まち」の活性化を目指す。

▲不動前駅・目黒1号踏切道高架切替後の状況 ▲環状線6号線部工事後の状況
東京急行電鉄目黒線(目黒駅付近〜洗足駅付近)の
立体交差事業の早期整備に貢献

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