建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年4月号〉

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活火山・十勝岳の火山砂防事業を推進

北海道 旭川土木現業所 富良野川火山砂防事業

▲十勝岳噴火口

北海道のほぼ中央に位置する十勝岳連峰は、主峰の十勝岳を中心に、美瑛富士・美瑛岳などの山々が連なる日本有数の活火山である。過去100年間でも3度の大規模な噴火が起こっており、近年では昭和37年の噴火で水蒸気爆発が発生し火山岩塊や火山灰を噴出。これにより硫黄鉱山や気象庁職員など16名が死傷した。昭和63年〜平成元年には、21回にわたる噴火が発生した。これ以外にも時折小噴火や地震活動が発生するなど日常的に噴煙をあげている。
 このため、平成元年に策定された「火山泥流対策基本計画」に基づき、富良野川の砂防事業を進めている。火山泥流は流下速度、到達距離、土砂量規模が非常に大きく強力な破壊力を持っているため、このエネルギーを低減させることがポイントとなる。事業は上流部では床固工群、低ダム群などによって浸食の防止をはかり、泥流の増大を防ぐ。透過型ダム、底面スクリーンダムによって、粗い土砂や流木の分離・捕捉を行い、流下エネルギーの減少を図っている。下流部では、中流部で分離された細粒土砂を重力式コンクリートダムで堆砂、扞止し、泥流規模の縮小を図る。


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