建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2006年4月号〉

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緑を活かした災害に強いまちづくりを目指す

国土交通省 太田川河川事務所 広島西部山系砂防事業

▲土石流災害の状況(佐伯区の屋代川)広島県提供

平成11年7月の梅雨前線豪雨は大規模な土石流・崖崩れを発生させ、死者24名にも上る大災害となった。この災害を契機として平成12年5月に土砂災害防止法が制定されるとともに、翌13年度からは広島県が行っていた砂防事業に加え、国の直轄砂防事業が行われている。
 広島西部山系には地形が険しく、また風化によって崩れやすい「まさ土」となる花崗岩が広く分布している。さらに宅地開発が山の斜面にまで広がっており、自然特性と社会環境の両面から土砂災害の危険性が高い。また、山陽自動車道や山陽新幹線などの交通幹線が横断しており、災害によって機能が寸断された場合には広域的な影響が及ぶ恐れがある。
 このため、同事業では土石流を防ぐ砂防えん堤の整備を着実に行うとともに地域防災力の向上を目指し、自助・共助・公助が一体となった総合的な土砂災害対策として、地域住民と連携した効果的・効率的な施設整備の推進を図っている。具体的には防災情報ネットワーク構築に向けた観測機器やシステムの整備のほか、現場見学会や出前講座、イベント等の広報活動についても積極的に取り組んでいる。
 施設整備にあたっては貴重な自然環境の保全に努めるとともに、関係機関・地域住民・ボランティア等との連携による都市山麓グリーンベルトの整備に向けた取り組みを進める。また修景等の景観対策にも努めている。
 管内の砂防工事は事業着手より既に大竹市の湯舟地区(平成17年3月)、廿日市市の三鎗谷地区(同8月)の2地区で整備を完了している。さらに広島市安佐南区に位置する相田地区の相田1・2号砂防堰堤を同11月に完成。今後も地域とともにハード・ソフト一体となった砂防事業を推進する方針だ。

▲相田2号砂防堰堤 ▲完成記念植樹の様子

宮園・四季が丘安全協議会
●広島西部山系四季が丘1号砂防堰堤工事 ●広島西部山系四季が丘6号砂防堰堤工事
株式会社半田組 河井建設工業株式会社
●広島西部山系四季が丘2号管理用道路外工事
株式会社栗本


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