〈建設グラフ2001年5月号〉

文教施設(大学)紹介

自然科学系教育研究施設の拠点に

重点プロジェクト研究を推進

神戸大学 総合研究棟(情報メディア系他)

同大学の自然科学系大学院である自然科学研究科は、前期課程でその母体となる理学部、工学部及び農学部の各学科に対応した15の専攻(数学専攻、機械工学専攻、植物資源学専攻等)、後期課程で7つの専攻(情報メディア科学専攻、分子集合科学専攻等)課程を設置。特に後期課程においては、自然科学の主要な専門諸分野の教育研究の深化に加え、新しい学問領域の開拓を可能とするための学際的、総合的な教育研究を行うことを目的としている。しかしながら、大学院の既存施設は、自然科学研究科の発足時の独立専攻科に対応した施設(約5,700平方メートル)のみである。
そこで、平成6年からスタートした大学院の改組に伴い、自然科学研究科を取り巻く現状を踏まえ、新施設の機能構成を見極めるべく、自然科学系学舎計画委員会を発足。検討の結果、「重点研究プロジェクトを評価・選定し、その研究支援拠点を整備し、研究の発展展開の中で大学院としての教育を行いながら、研究成果による社会・国際貢献を行うこと」を整備理念とした。
新施設は地上8階(地下1階)建で、建築面積1,289.71平方メートル、延面積7,598.65平方メートル。主として情報メディア系の重点研究プロジェクトの推進を支援し、コンパクトでドライな精密計測やコンピューターシュミュレーションを主体とした実験室と教官研究ゾーンを整備。実験室は採光、換気、シャフト、エネルギー供給ルート等の条件が均一な4つのユニットをつくり、複数の実験研究グループの利用や必要空間の大小、将来の変化に対応しやすい形態としている。
現在はT期工事が進められている段階だが、東側に同規模の増築であるA期工事の契約も終え、その増築接続部分にはリラクゼーション空間を設け、研究グループ同士の積極的な交流・情報交換の場とする。
T期工事は、平成13年11月に竣工予定で、六甲台2団地の自然科学系施設の拠点として期待が持たれている。


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