建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2005年11月号〉

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自然災害に強い安全で信頼できる道路環境を確立

観光・物流ルートの安全性・確実性を確保

北海道開発局小樽道路事務所 一般国道229号 積丹防災事業

▲ワッカケトンネル
▲西河トンネル
一般国道229号は、小樽市を起点に余市町から日本海沿いに積丹半島の外周を経て道南江差町に至る路線で、沿線は豊かな水産資源や風光明媚な自然景観に恵まれた代表的な観光ルートとなっている。同路線は平成8年11月、一般国道229号において最後の不通区間であった積丹町沼前から神恵内村川白の間約6.7kmが供用を開始し、観光客の入り込み数が飛躍的に増加。しかし幅員が狭く、カーブも多い剣崖の続く海岸沿いの道路であることに加え、大規模岩盤崩落事故も発生している。
このため岩盤崩落を踏まえた緊急調査に基づき、積丹防災事業としてトンネル工事や各種対策工事を行い、安全で信頼性の高い道路の実現を図っている。現在は、滝の澗工区のワッカケトンネル、丸山・厚苫工区の厚苫トンネル、余別工区の西河トンネルが工事中である。
ワッカケトンネル
ワッカケトンネルは、延長約498mのトンネルとして昭和31年に完成した。しかし築後約50年が経過しており、平成15年の点検では覆工の老朽化や覆工背面の空洞化などが確認されている。またトンネル幅員が6.0mと狭く、明かり部分が急カーブのため、交通事故が発生している。加えて一般の現道上及び坑口付近に落石・岩石崩壊の要対策箇所がある。このため防災対策として内陸側に新ルートを構築するものだ。
新トンネルは延長約910m、幅員11.25m、natm工法で建設される。現在は早期供用に向け、鋭意整備を進めている。
西河トンネル
積丹防災「余別工区」は、積丹町野塚から積丹町神岬町間の防災点検箇所および通行規制区間の解消を目的とした防災対策事業である。同箇所は平成16年度までに武威トンネル、来岸トンネル、神威岬トンネル、神岬トンネルを供用。今年度は改良・舗装工事を進めるとともに、西河トンネルの完成供用を図っているところだ。
西河トンネルは、既存トンネルの山側に新ルートを建設するもので、延長約176.8m、natm工法で16年9月から工事に着手している。トンネル本体の完成は今年10月末を予定している。
これらトンネルの完成により、落石や自然災害に強い安全で信頼できる道路環境が確立され、地域住民の生活や産業基盤となる観光・物流ルートの安全性・確実性の向上が図られることとなる。

●カメラアングル

一般国道229号 余市町 ワッカケトンネル工事

工事概要: トンネル延長L=910m
トンネル掘削L=895m
覆工L=651m トンネル
補助工法一式 函渠工一式
道路改良一式
現場吹付法枠
(F200 L=3,100・F500 L=800M)
工   期: H16.3.16〜H18.3.16

●西松・伊藤・石山特定建設工事共同企業体

札幌支店/札幌市北区北7条西2丁目20番地
東京建物札幌ビル4階
TEL.011-728-0211

札幌市中央区北4条西4丁目1番地
TEL.011-261-6111

札幌市中央区北10条西20丁目1番1号
TEL.011-621-3491

一般国道229号 余市町 ワッカケトンネル工事

工事概要: 工事延長l=222m トンネル延長l=219m
掘削工l=160m 二次覆工l=84m
道路改良一式 排水構造物一式
現場吹付法枠
(F200)L=62M・(F500)L=1,120m
グランドアンカーl=1,139m
工   期: H16.9.30〜H17.10.28

●田中・佐々木経常建設共同企業体

札幌市中央区北6条西17丁目17番地5
TEL.011-611-3331

岩内郡岩内町字東山26番地8
TEL.0135-62-1634

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