建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2005年6月号〉

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東北の中枢都市・仙台のライフラインを集約―泥土圧式シールド機で共同溝を施工

平成19年度の完成を目指し、延長1.4kmの建設が進む

国土交通省 仙台河川国道事務所 仙台東部共同溝

▲発進基地全景 ▲シールドマシン

国土交通省仙台河川国道事務所は、一般国道45号・仙台東部共同溝の整備を進めている。
東北の中枢都市として都市機能が集積している仙台市では、都市内交通量と都市機能確保のための各種公益施設の需要が年々増大している。仙台東部共同溝は、これらのライフラインを集約し、収納する施設で、平成14年から本体工の施工を進めている。

建設地は既設の仙台共同溝(仙台市青葉区本町地内)からjr東北本線を経て、市道小田原裏山本丁線交差点(仙台市宮城野区小田原地内)に至る延長約1.4kmの区間で、公益物件として水道、電気、通信を収容する。さらに原町工区までの延伸を図り、併せて3.8kmの共同溝を整備する計画だ。
工事の特徴としては、1.縦断勾配が最大5%区間の施工、2.jr東北新幹線橋脚・jr在来線直下の横断、3.東北電力既設洞道の近接通過、4.到達部における低土被りの施工、などが挙げられる。

また、シールド掘進に当っては、岩強度が高いこと、シルト岩区間での掘削土砂の付着力が高いこと、低土被りの砂礫層区間における掘進機制御が難しいこと等が課題となっている。これらを解決するため、同工事では泥土圧式シールド機を使用している。

▲直線部 ▲曲線部
泥土圧式シールド機
工区の土質構成は、仙台層郡の岩盤層(砂岩・シルト岩)の上部に、礫質土、表土および盛土層が堆積して構成されている。シールド通過部の土質は発進して200m程度が砂岩部であり、その後シルト岩を掘進する。
通過部分の想定される岩強度は、QU=6,820〜8,570kn/m2程度で、掘進延長は1.37kmであることから、カッタビットの耐久性と配置を検討し、仕様を決定した。さらにシルト部での付着力は244kn/m2と、高い値が想定されるため、カッタディスクの形状、シールド推力を検討し、チャンバー内に特殊コーティングを施工している。
コストダウンに向けた取り組み
同工事ではコストダウンを図るため、SEW工法を採用している。これは高強度で耐久性に優れ、加工が容易な新素材FFUを土留壁のシールド機通過部分に組み込んでいるもので、従来の人力や機械による土留壁の開口作業を必要とせず、シールド機が直接土留め(SEW部)を切削し安全確実に発進することが可能となる。
セグメントについては一般部に巾1.2mのコンクリートセグメントを使用する。ただしR=100、110mの曲線は巾1.0mのコンクリートセグメントを、各企業者との接続部には巾1.0、1.2mの鋼製セグメントをそれぞれ使用する。同工区のセグメントの継手構造には、継手のコストダウンが可能となるインサート継手を採用する。また、R=100、120m区間は、組み立て作業の高速化を図るため、ボルト結束作業が不要なスライドロックジョイントを採用。結束ボルトを使用しないため、平滑な内面のトンネルを構築することが可能となる。
工事の完了は平成19年度を予定している。
●仙台東部共同溝工事/西松・アイサワ特定建設工事共同企業体

東北支店/仙台市青葉区大町2-8-33
TEL. 022-261-8161

東北支店/仙台市青葉区本町3-5-22
宮城県管工事会館
TEL. 022-263-3666

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