建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2005年5月号〉

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国道357号路面下に延長約5.4kmの共同溝を整備

前例の少ない超長距離シールドの高速施工を実施

国土交通省千葉国道事務所 神明〜蘇我共同溝

▲坑内全景
換気立坑・分岐坑として8箇所を掘削・施工する大規模工事
国土交通省千葉国道事務所は、一般国道357号千葉市中央区新田町〜塩田町区間で神明〜蘇我共同溝の整備を進めている。
これは一日5万台以上が通過する一般国道357号地下の延長約5.4kmを、ビット交換なしでシールド掘進するとともに、換気立坑・分岐坑として8箇所を掘削・施工する大工事である。
この整備により、路面の掘削を抑制し、激増する自動車交通に対処。各種公益物件を効率的、機能的に道路の地下に安全に保護し、道路構造の保全と円滑な道路交通の確保を図る。
長距離シールドの高速施工
施工にあたっては過去事例の少ない超長距離シールドの高速施工(平均日進量16m、平均月進量350m)を、大成建設鰍ェ開発した最新のテクノロジーを結集するシールドマシンで掘削する。
掘削対象土質は礫分が少なく砂及び粘性土を主体としているため、ビットの摩耗が少なく坑内の作業環境の良い泥水式シールド工法を採用する。また全体サイクルタイム縮小のため幅広セグメント1,400mm/rを採用。rcセグメントはボルトレスセグメントとし、リング継手にjpj、セグメント継手にコーンコネクターを採用している。
▲シールド機全景 ▲ラッピング状況
近接施工
近接施工では完璧な防水効果を得るためラッピング工法を採用する。ラッピング工法は、セグメントの外周全体を耐水性・耐久性に優れた防水シートで被覆し、高品質のトンネルを構築する技術で、シールドトンネルの「止水性」「耐久性」の向上を実現する。
この工法の採用により、構造物・坑内設備の高寿命化のほか、周辺の地下水位の変動や地盤沈下など、環境への影響を防止する。
災害に強いライフラインを実現
災害に強いライフラインとするため、シールドは地震時に液状化しない深さに設置する。また地震時に地盤のひずみが集中する部位には可とう構造、もしくは免震構造を採用し、地下構造物に発生する変位を吸収。トンネル本体の発生応力を大幅に軽減する。
▲eco-mw工法施工全景 ▲ハイパーシャフト工法掘削状況
換気立坑・分岐坑の施工
換気立坑、分岐坑施工では、ハイパーシャフト工法、pcウエル工法、およびeco-mw工法を採用している。
ハイパーシャフト工法は、ケーシング回転掘削機のケーシングパイプ先端部に取り付けた拡径ウイングで刃口部を先行掘削しながら、昇降装置により立坑を沈設・構築する立坑構築工法であり、立坑を短い工期で精度良く構築する。
一方、PCウエル工法では、円筒形の単体ブロックに沈設地点でポストテンション方式によりプレストレスを導入させながら積み重ね、内部をハンマグラブで掘削。反力坑に反力をとり所定の深度まで圧入沈設する。また、eco-mw工法は、柱列式地中連続壁工法の一種で、流動化剤の添加により、発生泥土量を従来工法の50%〜60%に低減可能な環境負荷抑制に貢献する技術である。
神明〜蘇我共同溝の整備は平成14年3月から進められており、19年10月の完了を予定している。

●神明〜蘇我共同溝シールド(その2)工事/大成・鹿島・西松特定建設工事共同企業体

千葉支店/千葉市中央区新町1000
TEL. 043-243-1611

東京支店/東京都港区元赤坂1-3-8
TEL. 03-3404-5411

東関東支店/千葉市中央区新宿2-3-8
TEL. 043-241-0411


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