建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2005年4月号〉

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施工中の交通渋滞を解消し、安全でスムーズな交通環境を実現

技術提案により「子親シールド工法」を採用

国土交通省 静岡国道事務所 1号静清共同溝

▲発進立坑近傍

国土交通省中部地方整備局静岡国道事務所は、国道1号・静清共同溝の建設を進めている。
本事業は、一般国道1号の静岡市清水辻町から静岡市南安倍間12.8kmに共同溝を埋設するもので、昭和38年の「共同溝の整備等に関する特別措置法」制定、平成2年の事業化を経て、平成4年度に清水市内(現静岡市)で着手した。工事は旧清水市側から順次進められてきており、現在は清水楠新田から長沼までの3.7km区間の整備を進めているところだ。
この整備により、工業用水、電話及び電気などの管や線をひとまとめに収容し、公益企業者による道路の掘り返し工事を抑制。安全でスムーズな交通環境を生み出し、すっきりとした地上空間を実現する。
落札者の決定にあたっては、交通量の多い国道1号での施工であることを考慮し、昼夜の交通規制減少による「交通便益」、騒音・振動の抑制などの「沿道環境の便益」、ライフラインの切り回しを減らすことによる「社会的便益」の3つも併せて総合的に評価した。
また、VE提案により、シールド機を小さい径(φ4.25m)から大きい径(φ5.71m)にする「挿入式拡径子親シールド機」を採用。地上での工事区間(開削区間)が極力少なくなるよう配慮している。

▲親機および子機合体状況
▲セグメント

さらに、本工事では適用する工法として密閉型泥水式シールド工法を採用した。この工法はシールド機前面に隔壁を設けて切羽圧力室を形成し、切羽圧力室に加圧した泥水を循環充填し、切羽を安定させながら、機械掘削を行い、土砂を排出する。この掘削された土砂は地上の泥水処理設備へ流体輸送される。
加えて本工事ではRC(鉄筋コンクリート)セグメントを使用している。セグメントの継手には技術提案を行った「水平コッター式継手+プッシュグリップセグメント」を採用する。この技術の特徴は、ピース間の継手金物(水平コッター)を断面中心付近に配置できることにある。このため継手部に発生する正・負曲げモーメントに対し、効率よく曲げ性能を発揮できるとともに、継手金物による断面欠損がないため、合理的な配筋が可能となる。
工事は平成14年3月から着手しており、18年3月の完了を予定している。

▲トンネル坑内(分岐部) ▲トンネル先端部 ▲トンネル坑内(一般部)
1号静清共同溝 静岡東地区工事
●施工:大林・清水特定建設工事共同企業体

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