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▲北面外観パース | ▲メインアリーナ内観パース |
「屋内運動場・課外活動施設」は、スポーツを通じて相互に啓発し、人間形成を図ると共に、教育・研究を支え活性化を促す施設として建設されるものである。
同大学は、外国語学(世界の言語・文化・社会および国際関係)を教育研究の対象にしているが、このような教育研究を支えるためには、直接的な教育研究活動だけではなく、身体の健康を維持できる場が重要であり、また、日常的人間関係を緊密にし、友情を深めるためにも不可欠なものとして同施設を位置づけている。
一方、同大学は、「対話」をキャンパス全体のデザイン基調としていることから、同施設は別棟で計画し、その棟の間に“ガレリア”と命名した5層吹抜けの空間を設けた。“ガレリア”は、ガラスの屋根を持った半屋外空間とし、屋内運動場と課外活動施設を有機的に連結すると共に、多様な「対話」を誘発させる空間としている。
同施設は諸室を立体的に積み上げ計画することで、有機的な運用を容易にすると共に、敷地の有効活用が図られ、テニスコートとプール、弓道場など、将来付帯施設との連絡・配置計画に支障が生じないよう配慮している。
外観は、大きなボリュームによる圧迫感や単調さを連続した庇や外壁構成材の変化で分解し、地域との視覚的「対話」を図っている。
メインアリーナは、低層部と上部欄間部分にガラスの開口部を設け、風圧力による自然換気と自然採光を確保し、人工エネルギーに頼らない方式を採用し、自然環境との「対話」に努めている。
このほかの特長として、照明制御システムは多重伝送によりリモコンリレーを制御し、アリーナ照明はもとよりエントランスホール、廊下等共用部の照明管理を図っている。
AV設備は、メインアリーナ、舞踏室で行われる催事に適した拡声設備を設けており、利用パターンに適応して音場をあらかじめ設定し、ミキサーにて容易に切り替えを可能にしている。
また、空調設備は運転維持管理の容易さにより個別空調方式としている。
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▲南西面外観パース | ▲1階研究交流室内観パース |
「アジア・アフリカ言語文化研究所研究棟」は、アジア・アフリカ諸国の言語や文化等を研究するため、昭和39年(1964)に東京外国語大学附置の全国共同利用機関として設置された研究施設で、
平成7年(1995) には卓越した研究拠点(COE)にも指名され、学術的な研究において先導的な役割を期待されている。
内部の空間構成としては、多様かつ高度な機能を備える施設であるため、物理的な関連性と拘束性を考慮し明確なゾーニングとしている。
階の構成として、1〜3階の低層部は研修・会議・資料公開等を行う比較的オープンな「交流部門」を配置し、4・5階の中層部は利用者に限られる音声実験室や情報の蓄積・加工を行う「情報資源部門」を配置。6〜8階の高層部は個人研究活動の場である「研究室部門」を配置し、また、各階には研究者の交流やリフレッシュの場となるラウンジやテラスを設けている。
外装は、キャンパスの統一の考え方である「武蔵野の森」との対話をテーマとして、自然な素材感を持ったアースカラーの磁器質タイル張りを使用しており、中央広場に面したガラス面は「人と人」・「人と自然との対話」を表現し、この施設の持つ機能と意義を視覚的にアピールしている。
このほかの特長としては、情報コンセントを設置し、研究室や企画作業室等から情報ネットワークヘアクセスが可能となっているほか、省エネルギー対策として、大会議室の照明を照度センサーによる自動調光制御、トイレは人感センサーによる照明点滅制御、廊下やホールは中央からの点滅制御としている。また、研究室の空調機については、人感センサーによるエアコン停止制御方式を採用している。
空調設備は、発停・温度管理の容易さを考慮したことにより、個別空調方式を採用。
一方、電気室が特殊消化設備の対象とならないように、研究室を除く部屋の空調にはガスエンジンポンプパッケージを採用している。
衛生設備は、情報系の研究室等が多数あるため、各階に共同の水場を設けている。また、トイレの洗浄には、雨水を処理した雑用水を使用することにしている。