建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2004年12月号〉

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平成17年春、滑走路2,500mが供用開始

岩手県　花巻空港

県内唯一の「空の玄関」として昭和39年に開港した花巻空港は、交流・連携ネットワークの中心として現在定期路線で札幌・名古屋・大阪・福岡の4大都市と結ばれ、これまでの利用者数はのべ950万人に上る。　
しかし近年ますます増加する航空需要から、繁忙期にはターミナルの駐車場不足と待合室の狭隘化が目立ち、現施設では十分なサービスが提供できない状況にある。また積雪寒冷地という地理的条件から、冬季間には欠航などによって就航率が低下するため、公共交通機関としての信頼性と安全性の向上が課題となっていた。

これらの問題を解決し、新しい時代に向けた空港機能の強化を図るため、県では滑走路2,000ｍ→2,500ｍ延長事業、ターミナルの移転拡張事業、平行誘導路の新設事業に着手している。
事業は現在西側にある現ターミナル施設を東側に展開し、滑走路を500ｍ延長。増大する航空需要への対応や国際チャーター便の運航拡大など、国内外の交流拠点としての機能拡大を図る。

滑走路延長事業にあたっては、限られた工期内で安定した空港用地を造成するため、地盤改良（ペーパードレーン）など、様々な土木技術を用いて工事を進める。また空港周辺をはじめ、用地造成に使用する盛土材を採取する土取場周辺において環境調査を実施し、緑豊かな環境に配慮。さらに現場から発生する建設副産物を現場内で再利用することで、廃棄物を出さない資源の有効利用を図る取り組みを行っている。
滑走路延長は平成17年3月、ターミナルは平成19年度の完成を予定している。平行誘導路は舗装工事を残すのみとなっているが、財政状況等を勘案し、当面5年間は休止し、早期整備への環境を整えていく方針だ。