建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2004年9月号〉

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21世紀の情報流通拠点―奈良県立図書情報館の建設が進む

「情報の共有」「知的交流の舞台」「進化する図書館」を基本理念に新しい図書館像を模索

奈良県　奈良県立図書情報館

奈良県は「最新メディアを活用した情報の受発信基地」である総合的な情報センターとして、新県立図書館の建設を進めている。
これは1995年度に策定された同県の指針である「奈良県新総合計画」に位置づけられているもので、「情報の共有」「知的交流の舞台」「進化する図書館」の3つを基本理念とし、新しい図書館像を模索する、21世紀の奈良県における情報流通の拠点となる。

建設地は奈良市大安寺西1丁目。近鉄新大宮駅にほど近く、近傍には国道24号線も通っており、アクセスのしやすい立地となっている。
建築概要は、敷地面積約32,000m²、建築面積約4,800m²、延床面積約11,800m²で、鉄骨鉄筋コンクリート造の三層構造。駐車場はバス5台、普通車317台分のスペースを配置した。

平面計画では、開架図書は一般資料・専門資料を合わせ25万冊、書庫は100万冊が収蔵可能で、約400席の閲覧席を配置する。
1階には、書庫の他、マルチメディア機器を完備し、可動間仕切りによって20人から最大200人の利用が可能な「交流ホール」を配置。研究発表会などの開催も可能だ。
2階には高機能コンピューターと各種のハードやソフトを完備し、様々な創作活動が可能な「情報のアトリエ」、多様な利用形態に応じることのできる「セミナールーム」、「グループ研修室」、e‐ラーニングに対応した「LLルーム」など、マルチメディアを駆使した部屋を配置する。

		▲2階のイメージ

また、「対面読書室」「点字・音声出力装置室」を配置し、障害のある人も快適に資料の利用が楽しめる施設とした。
3階には、専門資料として「ふるさとコーナー」「県行政に関する貴重な資料」や「戦時中の生活体験に関する資料」などが閲覧できる専門資料書架を配置。400席ほどある閲覧席は、自分のコンピューターを持ち込める独立性の高い個室、同様にコンピューター利用が可能な個席のほか、ゆったりとした図書館利用が可能な閲覧席を配置する。オンライン情報を参照しながら図書館資料を活用できる利用端末個席は、2階と3階に配置される。
竣工は平成17年3月、オープンは17年度中を予定している。