建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2004年8月号〉

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屯田北地区に新たな小中学校を新設

発展を続ける屯田北地区の児童・生徒数の増加に対応

札幌市　（仮称）屯田北地区小学校、（仮称）屯田北地区中学校

（仮称）屯田北地区小学校		（仮称）屯田北地区中学校

札幌市は、屯田北地区の児童・生徒数の増加に対応した、（仮称）屯田北地区小学校と（仮称）屯田北地区中学校の新設を進めている。
両校の計画地は、屯田地区の土地区画整理事業区域内で、周辺一体は公営住宅の建設や宅地化が進み、人口が急増しているところだ。
母体校となる「屯田小学校」のクラス数は28学級、特殊学級3学級で、生徒数977人。「屯田中央中学校」は、クラス数は中学校市内最多の26学級に上り、生徒数は1,000人を超えている状況だ。
そこで、住宅地として発展を続けるこの地区に、新たな教育施設として小中学校を建設することとなった。

（仮称）屯田北地区小学校

小学校の計画敷地は西側、東側、南側の3周を道路が囲み、北側は防風林と接しており、登校アプローチは交通量の少ない敷地西側からを計画。敷地北側には北東側住宅地からの通学に考慮した敷地内道路（遊歩道）を設ける。
平面計画では普通教室全てに南側採光を確保するため、校舎をl字型に配置。各学年単位でのブロック構成とし、多様な学習形態に対応できるよう、ワークスペースを設け、可動間仕切りにより教室の形態調整を可能とさせる。
各ブロックやトイレ水飲み場付近の児童の動線上には、児童の工夫によって様々な利用方法が可能な空間として“デン”を配置する。また、管理部門は、2階部分に集中させ、特別教室は授業などの使用状況を考え、適切に配置する。
外構計画では、屋外学習の一環として利用する温室、教材園、飼育舎などを敷地南側に配置。周囲を緑化空間とすることで「憩いの場」を確保する。南側の一角にはフェンス等は設置せず地域住民が自由に出入りできる「地域との交流の場」として整備する。

（仮称）屯田北地区中学校

中学校は、4周道路に囲まれており、北側には防風林、南側は道営住宅、東側に介護老人施設がある。配置計画では地域の特徴を生かした「はぐくみの道」を生かした配置とする。
普通教室は、十分な自然光を採り入れるよう南側に配置。グラウンドには、施設の影が落ちないよう配置するとともに、災害時の近隣住民の避難場所となるよう、自動車主要動線側に配置する。また、道路と敷地の境界には周囲の特性を考慮した植樹を行う。
校内の平面計画では、前庭への視覚的な広がり、ライトウェル（光の井戸）による光・風の通り道などによる空間的な連続性を構成。
また、多様な学習形態に対応するため、普通教室と近接した多目的室、教室と教室の間の小さな空間のアルコーブ、特別教室側に設置するワークコーナーなど、大小様々な多目的スペースを設ける。
さらに普通教室群と特別教室群、管理部門を明確に分離し、学校開放の使いやすさを考慮。前庭を校舎棟に引き込み、屋外空間を積極的に取り入むほかに、屋上テラスを設ける。

その他

両校の共有施設として、各校舎内には、車いす利用者にも対応したエレベーターやトイレを設置し、バリアフリー化を進める。また、エネルギー消費量を減らすため、市内の小・中学校では初めて窓に断熱サッシを使用。また、中学校では、地中熱をワークコーナーの暖房に利用し、施設の環境負荷低減に配慮する。
さらに、小学校には、校舎屋上に太陽光パネルを設置し、児童や地域住民などの見学用スペースを確保。また1階ホールには発電の仕組みや発電量などを表示する表示板を設置する。
施工にあたっては、揮発性有機化合物等による室内の空気汚染対策としては、建築材料の選定や機械換気などで対応する。
両校とも平成17年3月に完成し、同年4月より開校する予定だ。