建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2004年8月号〉

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全室個室によるユニット・ケア方式を採用した新静寿園を改築

より家庭的な生活を目指して、きめ細かい介護を提供

北海道静内町　特別養護老人ホーム「静寿園」

静内町は、全室個室によるユニット・ケア方式を採用した特別養護老人ホーム「静寿園」の移転改築工事を進めている。
現静寿園は、昭和48年5月に定員50名で開設され、その後、昭和50年2月に増設を行い、現在では定員が106名となっている。
しかし、築後30年が経過したことにより、建物の老朽化が著しく、また待機者は常時100名前後を抱えており、施設の狭隘化も進んでいることなどが課題となっていた。
そこで、これら老朽・狭隘化の解消を図り、国が進める「新型特養」に対応した施設として、また、「静内町第4次総合計画」及び「静内町高齢者保健福祉計画」に基づいた計画として、新たに移転改築を行うこととなった。

建設地は、町立病院などの町総合ケアセンターに隣接する同町緑町の公営住宅跡地。
総面積は、8,410m²で、構造規模は鉄筋コンクリート造3階建てで、現施設の約4倍の広さとなる。
新静寿園は、全室個室によるユニット・ケア方式で介護サービスを行うとともに、デイサービスセンター、短期入所生活介護施設（ショートステイ）を併設した高齢者複合施設として建設。入所定員は、120名で、短期入所生活介護施設12床を併設する。
1階には、管理部門、給食部門、医療部門を配置するとともに、地域交流スペースを設け、地域の方々との交流の場、ボランティアの発表等の場所として活用。
各階には、一般浴室及び特殊浴室を完備し、24時間入浴も可能となり、さらに「ボランティアルーム」を設置し、ボランティアの方々の準備・控え室として整備する。
各階への移動には、大型エレベーターを2基設置し、給食搬送用にはダムウエーターを1基設置。

個室については、1ユニット11室で12ユニットととし、1ユニットごとに食堂や談話スペース、機能訓練スペース、トイレ3箇所、サブ介護ステーションを配置し、きめ細かい介護を提供し、痴ほう症患者の自立、高齢者介護の向上を図る。
また、デイサービスセンターの1日利用人員は25人。専用の脱衣所、浴室、特別浴室を設置するほか、中庭に面して食堂、機能訓練室なども配置する。
オゾンによる脱臭設備を完備し、悪臭と殺菌を防止するほか、採光を十分取り入れることができるよう「ライトコート」等で配慮するとともに、木の温かみを十分に使用した施設とする。

安全対策としては、ナースコールや死角となる箇所へモニターカメラを設置するほか、屋上へも一時避難できるよう設計している。
外構計画では、入所者が四季を感じ取れるよう花や木々を植栽し、さらに花壇2箇所、菜園2箇所を設置することにより、入所者の生きがいづくりを支援する。
なお、道路向かいには、町立病院、介護老人保健施設「まきば」、保健福祉センターが一体となった静内町総合ケアセンターがあることから、入居者にとっては、「保健・医療・福祉」にわたる総合的な安全・安心の提供が行われることになる。