建設グラフインターネットダイジェスト

〈建設グラフ2004年7月号〉

ZOOM UP

北海道の教育政策と施設整備

難病を抱える児童生徒が安心して快適に学ぶことのできる教育施設に

学校を「街」、教室を「住宅」にイメージした開放的で居心地のいい空間を構築

北海道教育庁 八雲養護学校

北海道教育庁は、八雲養護学校の改築事業を進めている。
同校は昭和32年6月、国立療養所内に八雲小・中学校の特殊学級(ひまわり学院)として発足し、昭和45年道立に移管した養護学校である。児童生徒は主に、隣接する国立療養所八雲病院に入院指定治療や訓練を受ける、筋ジス児や重障児などの病弱児を対象としている。
校舎改築の基本理念は「難病を抱える生徒が安心して快適に学ぶことのできる教育施設の整備」。難病に立ち向かう子供達の思いを的確に把握し、それらに誠実に対応するものとして設計が行われた。

配置計画にあたっては、学校を「街」のようにイメージし、廊下は街路のように変化に富んだ開放的な空間を心がけた。さらに運動公園や自然公園、広場や図書室、音楽ホール、工房やギャラリーなど、諸室を街中の施設に見立てた。
教室は、教育の場としてだけでなく、医療と教育に与えられた「生活の場」であるという視点から、木のぬくもりを多く採り入れ、マイホームに帰ったような居心地の良い空間となるよう、「住宅」をイメージした教室とした。
職員室などの管理部門は、隣接する病院側に集約して配置し、保護者を含め、学校・病院双方の関係者が容易に情報の交換を図れるよう、「生活支援センター」のイメージとした。

また、周辺環境との親和性を考慮し、居住環境の快適性なども含めた広義の「エコスクール」をイメージ。環境負荷の低減に配慮した。
外観は、国立療養所八雲病院や周辺の恵まれた自然環境に馴染むよう、ベージュ系の白色を基調とした。校舎へのアプローチの正面となる校舎西側部分は楕円形とし、印象に残るシンボリックな形態とした。さらにこの部分と正面から中庭にかけての部分の外壁を淡いサンド系のタイル張りにして落ち着きとグレード感に配慮している。
改築工事にあたっては、入院加療しながら学習を続ける子供達へ与えるストレスを最小限にするため、建替プログラム、施工の手順、工事騒音、環境の変更等について十分に配慮している。
完成は平成17年1月を予定している。

北海道八雲養護学校改築工事
●建築主体工事(第1工区)/松原・星組渡辺・千釜特定建設工事共同企業体
株式会社松原組
山越郡八雲町末広町29番地
TEL. 01376-3-2511

星組渡辺土建株式会社
茅部郡森町字上台町1番地
TEL. 01374-2-2375


株式会社千釜組
山越郡八雲町東雲町107番地
TEL. 01376-2-2384


●建築主体工事(第2工区)/森川・工藤建設・東商特定建設工事共同企業体
株式会社森川組
函館市海岸町9番23号
TEL. 0138-41-3126


工藤建設株式会社
茅部郡森町常盤町90番地
TEL. 01374-2-2903


株式会社東商建設
函館市桔梗町4丁目35番8号
TEL. 0138-46-6333

●暖房設備工事/ニシカワ・宮田・角田経常建設共同企業体
株式会社ニシカワ産業
函館市桔梗町406番地の41号
TEL. 0138-47-1875


株式会社宮田設備工業
山越郡八雲町熱田25番15号
TEL. 01376-3-2504


株式会社角田配管工業所
山越郡八雲町出雲町28番地
TEL. 01376-2-2578

●衛生設備工事/アオイ・佐々木経常建設共同企業体
アオイ工業株式会社
函館市赤川町425番5号
TEL. 0138-46-0389


株式会社佐々木配管
山越郡長万部町長万部234番地
TEL. 01377-2-3142

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